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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「A3」 2010

★★★★☆ 一連のオウム真理教の事件について追ったノンフィクション。 表現が適切かどうかわからないが、面白くてこの分厚い本を一気に読んでしまった。自分の中で理解していたあの事件のストーリーが、別の物語として浮き上がってくる。 最近良く聞く「忖度」…

「フライト・ゲーム」 2014

★★★★☆ 任務で搭乗していた機内で、脅迫のメールを受け取った航空保安官が、乗客の中の犯人を捜索する。 航空保安官なんて職業があるなんて知らなかった。外に逃げられない機内という密室の中での捜索劇。不満や疑念を募らせる乗客の中から犯人を見つけ出さな…

「アリゾナ・ドリーム」 1993

★★★☆☆ 叔父の結婚式のためにアリゾナに戻った男が、知り合った未亡人とその義理の娘と暮らすことになる。 抽象的なシーンが多く、正直良く分からなかった。頑張ってなんとか解釈しようとすれば出来るのかもしれないけど、ちょっとしんどい。気力・体力が充実…

「しらずしらず あなたの9割を支配する「無意識」を科学する」 2013

★★★☆☆ 人々の行動に大きな影響を及ぼしている無意識。 単純に見たものや聞いたことまでが、実際は無意識下で処理されていることに驚く。ある文章の単語の一文字を消去したテープを聞かせても、文章の前後から推測して聞き取ることができ、しかも本人は一文字…

「天使と悪魔」  2009

★★★★☆ 次期教皇を選出する「コンクラーヴェ」が行われようとしていた時、有力な候補者達が拉致され脅迫状が送りつけられる。 こんな内容の映画を作られてヴァチカンはどう思っているのだろう。ある意味心が広い。日本で仏教とか新興宗教とかをモデルに作った…

「キック・オーバー」 2012

★★★★☆ マフィアの金を奪いメキシコへ逃走するが、失敗しメキシコの最悪の刑務所に入れられてしまった男。 とりあえず刑務所がすごい。金さえあれば家族と暮らせるし、ドラッグから何まで手に入り、まるで一つの町のよう。どこか「マッドマックス」の世界観を…

「服従」 2015

★★★★☆ イスラーム党が政権を握ったフランスで、大学教授の男が職を解かれる。 こういう話にリアリティを感じるほど、欧州は切実なんだな、と改めて認識させられた。たしかに最近の欧州のニュースはきな臭いものが多い。自分たちは衰退の道を歩んでいると薄々…

「アメリカン・ハッスル」 2013

★★★★☆ 無罪放免を条件にFBIのおとり捜査に協力することになった男女の詐欺師。 子どものように無邪気なFBI捜査官を見ていると、おとり捜査は怖いなぁと思ってしまった。こんなに巧妙にやる気満々でやられると、善良な人々でも出来心が芽生えてしまいそう。本…

「社会はなぜ左と右にわかれるのか 対立を超えるための道徳心理学」 2014

★★★★☆ 道徳は理性によるものか、直感によるものかの考察から始まり、次にそもそも道徳とは何を基盤にしているのかを明らかにし、そして、保守とリベラルについて論じられており、哲学から宗教、人類の進化など多岐に渡る分野を用いて広い視点で展開されてお…

「ブロークンシティ」 2013

★★★☆☆ ある事件をきっかけにNY警察を辞め探偵となった男が、市長に妻の浮気調査を依頼される。 それなりのスリルのある展開だけど、よくよく考えるとストーリー自体は大したことがないというか。探偵が依頼人の本当の意図に気づいて義憤に駆られる話だけど、…

「宇喜多の捨て嫁」 2012

★★★★☆ それぞれの視点から見た宇喜多直家。 最初に裏切り、毒殺、暗殺を繰り返し、梟雄として知られる直家のイメージ通りの姿を描いておいて、そのイメージを揺らがしていく展開がうまい。 戦いではなく、暗殺や謀殺で領地を拡大していく方法は、たしかにダ…

「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」 2010

★★★☆☆ 生産性を高めるための手法を語った本。 生産性が高い人は、一つ一つの仕事をこなすスピードが早い人でも、人よりも多くの時間をがむしゃらに働いている人でもない。その時、その場所で最も重要な問題から取り組む人だ。 仕事で様々な問題が見えてくる…

「一命」 2011

★★★☆☆ 狂言切腹が流行る江戸時代、一人の男が井伊家に切腹を願い出る。 序盤の展開は良かったのだけど、中盤以降はイマイチ。中盤は貧しく切ない話が続き、侘びしくなる。後半にこの冷えた心を熱くしてくれるものがあれば良かったんだけど、昔ながらのチャン…

「ドリームキャッチャー」 2003

★★★☆☆ 少年時代に不思議な少年と交流した経験を持つ仲間が、冬の山小屋に集まる。 どんな内容の映画かよく知らないまま観始めたのだが、途中から予想していなかった展開となっていって驚いた。最初は不思議な能力を持ちながらも、それに悩んでいる主人公たち…

「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」 2012

★★★★☆ 人はなぜ不正を行うのか、どんな時に不正を行うのか、実験の結果を通して考察する。 人はだれでも不正を行う。この本のなかで紹介される実験でも、不正のチャンスが有ればみな不正を行っている。そのような行動を取りながらも、みな道徳観や倫理観を持…

「家族はつらいよ」 2016

★★★★☆ 三世帯家族の祖母が離婚したいと言い出し、家族を巻き込んだ騒動となる。 熟年離婚がテーマになると年寄りだけが登場してどうしても地味な映画になりがちだけど、そこに子どもや孫を持ち出すことでそれを回避している。 今やこういったホームドラマ風…

「ブレス」 2007

★★★☆☆ 何度も自殺を図る死刑囚の男と、彼に惹かれ何度も面会する女。 自殺を図る死刑囚ってよく意味がわからない感じがするけど、まぁ生きていてもしょうがないと本人が自覚しているってことだろうな。しかし、実際そうなのかは分からないけど、韓国の死刑囚…

「8 1/2」 1963

★★★☆☆ 保養地で日々を送る、なかなか映画の構想が湧いてこない映画監督。 現実の世界と空想の世界が交互に描かれ、ストーリーとしては分かりづらく抽象的。きっと、監督自身の実体験を映像化しているんだろうけど、こんな感じなんだろうな。物語を思いついて…

「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」 1997

★★★☆☆ 原始時代、人類は各大陸で同じような狩猟採集生活を送っていたはずなのに、やがて一方の大陸が一方の大陸を征服できるほどにまで差がついたのはなぜなのか、なぜその逆ではなかったのか、検証する。 評判の良い本だということは知っていたが、味気ない…

「ザ・ウォッチャー」 2000

★★★☆☆ 恋人が殺され、打ちひしがれていたFBI捜査官の元に、犯人から挑発の郵便が送られてくる。 シリアルキラーものなんだけどどうにも中途半端。キアヌ・リーブスはあまりヤバイやつ感がなく、せいぜい変人どまり。 見方を変えれば、犯人の主人公へのストー…

「赤を身につけるとなぜもてるのか?」 2015

★★★☆☆ 環境的な要因や物理的な感覚が及ぼす人の行動について紹介した本。 自分の行動について考えるとき、自分で考え、自分の意志で行動していると考えがちだが、実際は多くの影響を受けている。潜在意識のような自分の内面に潜むものだけでなく、さわり心地…

「地球が静止する日」 2008

★★☆☆☆ 義理の息子と暮らす学者の元に、政府のエージェントが突然訪れ協力を求められる。 ぼんやりとした話が延々続いて、結構辛かった。もうちょっと分かりやすい感じで皮肉を効かせたり、批評を含んだものにすればいいのにずっと曖昧。登場人物の誰にも見せ…

「雑食映画ガイド」 2013

★★★☆☆ 三人の著者がそれぞれ各映画について語るコラム集。 町山智浩のコラムで取り上げる映画は、観たことある映画や名前は聞いたことのある映画が多くて、ふむふむと読むことができたが、後の二人が取り上げる映画は、そんな映画があったことすら知らなかっ…

「ビジョナリー・カンパニー」 1995

★★★☆☆ 先見的な企業とそうではない企業との違いを検討する。 先見的な企業単独で調べたわけではなく、比較対象として先見的ではないが業界でトップクラスの企業と比較しているのが面白い。単独で調べると特徴が捉えづらいし、かといって駄目な中小企業と比べ…

「PARKER/パーカー」 2013

★★★☆☆ チームを組んで強盗を成功させるが、次の仕事を断ったためにメンバーに殺されそうになった男が、彼らへの復讐に動き出す。 ジェイソン・ステイサムはヅラかぶって登場すれば、つかみはOK感があるな。今回は彼は強い男というよりは、不死身の男という感…

「それでも夜は明ける」 2013

★★★★☆ アメリカ北部で自由黒人として家族とともに暮らしていた男が、拉致され奴隷として南部のプランテーションに売られてしまう。 かつてのアメリカの黒人奴隷の実態を生々しく描いている。親子で引き離されたり、理不尽にムチで打たれたり。時には主人の余…

「アイム・ノット・ゼア」 2007

★★★☆☆ ボブ・ディランの半生を分解して、6つの物語を組み立てた映画。 まだ存命中なのにこういった映画を作られるということだけでも、ディランの生きる伝説っぷりがよく分かる。 ディランの半生の側面を6人が演じるわけだが、やはりケイト・ブランシェット…

「天国と地獄」 1963

★★★★★ 会社の乗っ取りを企てる重役のもとに、息子を誘拐したとの電話がかかってくる。 最初の犯人からの電話に、一瞬で取り乱してしまう飲み込みの早さには違和感があったが、その後は息もつかせぬ展開。 この映画は大きく分けて、誘拐事件、その後の捜査、…

「ファイヤーウォール」 2006

★★★★☆ 銀行のセキュリティ専門家が家族を人質に取られ、銀行から大金を送金するよう迫られる。 なかなか緊迫感のある展開でハラハラさせられるが、前半殆どの時間帯で主人公がほぼ言いなりにならざるを得ない状況が続き、フラストレーションが溜まる。 終盤…

「フリー <無料>からお金を生みだす新戦略」  2009

★★★★☆ ものと違ってデジタルの複製は、オリジナルとまったく相違ないものを大量に容易に作成でき、コストは限りなくゼロに近い。そういった中では良い悪いは別にして、価格は万有引力の法則のように、限りなく無料に向かっていくという指摘は興味深い。 無料…

「おとうと」 2010

★★★☆☆ 娘の結婚式に、しばらく音信不通だった弟が現れる。 身内から疎まれている弟がまるで寅さんのようではあるんだけど、寅さんと違って駄目なところしかない。でも、姉目線で、音信不通中の出来事については描かれていないからそう見えるだけで、寅さんも…

「ネバダ・スミス」 1966

★★★☆☆ 両親を殺された男が、復讐を果たすため旅に出る。 復讐って、色々考えさせられる。勿論、自分や身内に酷い仕打ちをした人間がのうのうと生きていることには我慢できないが、だからといって同じことをしてしまうと、自分も同じ人間になってしまう。それ…

「バトルフロント」 2013

★★★☆☆ 亡き妻との娘と片田舎で暮らしていた元麻薬潜入捜査官に、かつて潜入した組織が襲いかかる。 ジェイソン・ステイサムが元麻薬潜入捜査官の割には、リスク管理が甘い。家に侵入されているのに、何をされたかちゃんと確認していないし、見られちゃまずい…

「台風クラブ」 1985

★★★☆☆ 中学生たちは、台風が接近した一夜を学校で過ごすことになる。 中学生くらいの年代は一番しんどい時代だ。もう子供ではなくなりつつあるが、大人でもない。大人は彼らを子供扱いしたり、時には大人扱いして、矛盾や不信感を生じさせる。広い世界に飛び…

「アイデアのちから」 2008

★★★★☆ 凄いアイデアは天才のひらめきから生まれると考えがちだが、実際はフレームワークを利用すれば、だれでもすごいアイデアを生み出せるとして、その方法を紹介している。 アイデアを生み出すというよりは、アイデアを伝える方法といった感じだが、伝え方…

「橋」 2010

★★★☆☆ ある雨の日、同じ川の違う橋の上にいた二人の小学生女児の物語。 二人の女の人生を描いているようで、戦後の日本の地方を描いている。東京オリンピックや公共工事によって、中央から地方に豊かさが波及し、バブルの終焉とともに、右肩上がりを続けてき…

「市民ケーン」 1941

★★★☆☆ 亡くなった大富豪が残した最期の言葉の謎を探るため、記者が関係者たちに取材を行う。 名作との呼び声高い作品だけに、事前にハードルを上げすぎてしまった。多分、ここで取り入れられた斬新な手法は、その後それをオマージュしたり、パクったりした作…

「君に友だちはいらない」 2013

★★★★☆ もっと若い時に読みたかったと思わせる本。大学生でも遅いくらいかもしれない。若ければ若いほど、効果を発揮しそう。 大企業がバタバタと倒れていく昨今、終身雇用とか、もはや言っていられなくなってきた。今後はITの進化で今している仕事が将来も存…

「ライトスタッフ」 1983

★★★☆☆ 飛行速度を競っていたテストパイロット達のもとに、宇宙飛行士募集の知らせが来る。 とりあえず長すぎ。途中で3時間近くあることに気づいて、心が折れそうになった。長い割には色々と描かれていないような気がする。宇宙飛行士同士の関係だったり、彼…

「LUCY/ルーシー」 2014

★★★★☆ 運び屋にされた女の腹部に埋め込まれた麻薬の袋が破れ、女の脳が覚醒する。 通常の人間の脳は10%しか活用されていないとされているが、フル活用されるとそんな風になるの?とちょっと疑問な気もするけど、まぁ映画自体は面白かった。 スカーレット・…

「近江商人 三方よし経営に学ぶ」 2011

★★★☆☆ 昔、何気なく立ち寄った滋賀の近江商人の旧邸を見学した時、でかい家だなと思っていたのに、これは一部で当時はもっとデカかったという表示を見て、驚いたことがある。しかも、「三方よし」の精神で商売を行っていたというのを知って、近江商人すごい…

「トゥー・フォー・ザ・マネー」 2005

★★★☆☆ 怪我のためNFL選手への夢を絶たれた男は、スポーツ勝敗予想の才能を買われて、スポーツ情報会社にスカウトされる。 主人公は元々プロも目指せる選手だったから勝敗予想はそれなりにできるっていうのは、何となく分かるのだけど、的中率がそこまで高い…

「火花」 2015

★★★★☆ 駆け出しの漫才師の男が、営業先で出会った先輩芸人に弟子入りする。 書き出しから気合の入った文章。やっぱり芥川賞はちゃんとした賞なんだなって安心した。初小説とは思えないクオリティの高さ。 先輩にどこか自分と似ていると感じてシンパシーを感…

「なぜあの商品は急に売れ出したのか―口コミ感染の法則」 2001

★★★☆☆ 流行現象は緩やかに広まっていくのではなく、ある時点で爆発的に一気に広まる。そのメカニズについての考察と解説。 このタイトルを見るとマーケティング的なことが延々記述されていそうだが、実際には伝染病の広まりや犯罪の減少等、ひろく物事が広ま…

「キング・オブ・コメディ」 1983

★★★★☆ 人気コメディアンとのコネをきっかけに、なんとかスターになろうとする男。 タイトル的に長い下積みの末、才能が開花してスターになる、みたいな成功物語を予想していたんだけど、全然違った。斜め上の展開。 人気コメディアンに憧れ、その姿を真似る…

「俺俺」 2010

★★★☆☆ ふとしたきっかけで手に入れた携帯電話で、オレオレ詐欺をしてしまった男に次々と不思議な出来事が起きる。 これはある意味で自分探しの話なんだろうな。人と接したりしている時に、これは本当の自分じゃないんだけどなぁ、みたいなことを思うことがあ…

「統計学が最強の学問である」 2013

★★★☆☆ 容易にデータを収集できるITと結びつき、ますますそのリテラシーが求められる統計学について書かれた本。 最近良く聞くビッグデータという言葉。イメージとしては簡単にたくさんのデータを集め、解析できるようになり凄い、みたいな感じでいたが、そも…

「シブすぎ技術に男泣き!」 2010

★★★☆☆ 日本のものづくりを支える技術者たちにスポットを当てたコミックエッセイ。 あまりこういう技術者たちの実態を知る機会はないので、なかなか興味深い。時折出てくる回路図は全然理解できないんだけど。 確かにあちこちの小さな町工場に、すごい技術を…

「スイッチ! ― 「変われない」を変える方法」 2010

★★★★☆ なかなか変われない個人や組織を変えられるようにするフレームワーク。 この本のオリジナルではないが、まず本書の中で使われている「象」と「象使い」の比喩が分かりやすい。 私たちの感情は「象」であり、理性は「象使い」だと述べている。象にまた…

「スリー・キングス」 1999

★★★★☆ 湾岸戦争終戦直後、米軍の兵士が投降したイラク兵から地図を入手する。 勝利の高揚感の中、アメリカ万歳的な陽気な雰囲気で始まり、そのまま、ちょっとしたアドベンチャー感覚の金塊探しがスタート。しかし、次第に能天気さは影を潜め、シリアスな気分…