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BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「火花」 2015

★★★★☆ 駆け出しの漫才師の男が、営業先で出会った先輩芸人に弟子入りする。 書き出しから気合の入った文章。やっぱり芥川賞はちゃんとした賞なんだなって安心した。初小説とは思えないクオリティの高さ。 先輩にどこか自分と似ていると感じてシンパシーを感…

「俺俺」 2010

★★★☆☆ ふとしたきっかけで手に入れた携帯電話で、オレオレ詐欺をしてしまった男に次々と不思議な出来事が起きる。 これはある意味で自分探しの話なんだろうな。人と接したりしている時に、これは本当の自分じゃないんだけどなぁ、みたいなことを思うことがあ…

「翼」 2011

★★★★☆ 大事な契約を前に体調を崩した女は、訪れた病院で疎遠になっていた友人の夫と再開する。 仕事をそつなくこなし、社内の揉め事にも感情的になり過ぎずに大人の対応をし、旧友との会話にも、反芻してその状況や背後にあるものを読み取ろうとする、隙のな…

「光秀の定理」 2013

★★★★☆ まだ無名時代の明智光秀と、ひょんなことから交流するようになった破戒僧と武芸者。 歴史小説に数学を持ち込んでいて面白い。そのうちの一つ、4つのお椀の問題は、以前何かで読んでなんとなく知っていたが、信長とやり取りしながら、その問題を解説し…

「江利子と絶対 本谷有希子文学大全集」 2003

★★★☆☆ 表題作のひこもりの妹を引き取った姉の話を含む三作品が収録されている。 目次も余り見ずに読み始めたので、短編が2作品続いた後に、結構長めの長編というか中編にあれ、なかなか終わらないなと戸惑ってしまった。どうでもいい話だが。 p11 引きこもり…

「首折り男のための協奏曲」 2014

★★★☆☆ 各所で発表された短編をまとめた作品。だけどただの短編集ではなく、それぞれの短編が互いにつながっているような、つながっていないような感じに仕上げてくれているのが伊坂幸太郎らしい。この内の幾つかは、既に読んだことがあったが他の短編とのつ…

「X'mas Stories 一年でいちばん奇跡が起きる日」 2016

★★★☆☆ 6人の作家によるアンソロジー。ちなみに朝井リョウ、伊坂幸太郎の短編はそれぞれ「何様」「ジャイロスコープ」にも収録されている。 クリスマスということで甘ったるい話ばかり並んでいるかと思ったら、それぞれ様々な角度からバリエーション豊富な感…

「聖なる怠け者の冒険」 2013

★★★☆☆ 週末は怠けて暮らすことを日課としている男が、正義の味方として活躍する謎の男に2代目を継ぐようつきまとわれる。 怠けることは非難されがちだが、こうやって開き直ってそれを正当化しようとするのは面白い。意識高い系の怠け者というか。非難するの…

「何者」 2012

★★★★☆ 就活対策のために集まった男女がそれぞれ思いを抱えながら、内定を得るために奮闘する。 なかなか心に痛い小説だった。内定を得るよりも断られることの方が多いという、人生でほとんど経験することのない経験をしながらも、それでもそう簡単に止めるこ…

「春琴抄」 1933

★★★★☆ 著者 谷崎潤一郎 盲目の三味線の師匠の女に仕える弟子の男。 プライドの高い女。元々の性格や育った環境にその原因はあるのだろうが、一番の原因は男だろうな。気位が高くても人生が進むにつれ人は性格が丸くなっていくものだけど、男がそれをさせなか…

「バイ貝」 2012

★★★★☆ 私は激怒した。馬鹿か。少しは自分の脳を使え。なにを弛緩しきって、考えたことを思いついたことをそのまま外界に垂れ流しているのだ。 p193 カネを稼ぐ事で蓄積された欝を発散させるため、鎌を買いに出かける。 景気の悪いお金の話を延々とされると、…

「百年の孤独」 1967

★★★★☆ 著者 G・ガルシア・マルケス ある村を創設した一族の百年に及ぶ物語。 百年もあれば子供が生まれて、さらにその子供が生まれてってあるんだけど、その子どもたちの名前がほとんど同じ名前の使い回しでそこが最初戸惑った。でも、それを乗り切れば一気…

「死神の浮力」 2013

★★★★☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 娘を殺された夫婦が、犯人への復讐を企てる。 「死神の精度」の続編。死神がいる時点で主人公がほぼ死ぬということが分かっていて、それでいて死ぬ日が決まっているのでそれまでは死なないということも分かっている、…

「甘い復讐」 2014

★★★☆☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 短編集。 表題作は、思い込みが激しく、過剰に反応して、勝手に怒り狂い、残酷な仕打ちをして一人で笑っている、ひとりよがりの復讐。仇討みたいに皆が共感できるものではなく、どちらかというとなんでそこまで怒って…

「佐渡の三人」 2012

★★★☆☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 祖父や親類の納骨に佐渡に向かう三人。身内の死に悲しむでもなく、佐渡への小旅行に浮き浮きするわけでもなくフラットな主人公たち。淡々としながらも突っ込みどころのある面白いシーンは逃さず、だけど盛り上がるわけ…

「サイドカーに犬」 2007

★★★☆☆ サイドカーの犬が想像していたのと違う映像だった。もっと悟ったような顔をしていて欲しかった。 監督 根岸吉太郎 原作 猛スピードで母は (文春文庫) 作者: 長嶋有 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2005/02 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 50…

「PK」 2012

★★★☆☆ つながっている様な、つながっていない様なストーリーが面白い。タイムトリップのややこしい説明に若干萎えたが。 著者 bookcites.hatenadiary.com PK (講談社文庫) 作者: 伊坂幸太郎 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2014/11/14 メディア: 文庫 この…

「トリガール! 」 2012

★★★☆☆ こうやって百人以上の人間が、一つの目標に向かって何かに取り組む、っていうのはそれだけで熱いものを感じる。しかもたった一回しかないチャレンジのために。 飛行中の、なかの二人のやり取りが面白い。ありがちな展開にならず、結局皆の関係がそんな…

「もういちど生まれる」 2011

★★★★☆ 「桐島、部活やめるってよ」の大学生版のような。 無邪気な高校生とは違い、彼らはこの後続く人生を意識している。このぐらいから自分がどのような人生を歩むのかが見えてくる。みんな一緒だと思っていた高校生とは違い、それぞれの人生が。 bookcites…

「告白」 2005

★★★★☆ 自分は人とどこか違っていると違和感を感じ、皆と同じように出来ないことにコンプレックスを抱き、自分に言い訳しながらやけになって生きる。でもどこかで皆と同じように生きなければと思いつつも、もう手遅れだと後悔もしている。長い話で何と言って…

「漁港の肉子ちゃん」 2011

★★★★☆ 肉子ちゃんて・・って、そのネーミングに若干引いてしまうが、いちいち人物描写しなくてもどんな容姿をしているか分かってしまうので、合理的ではある。 この肉子ちゃんのように深く考えずに楽しい時は全力で笑って、悲しい事には鈍感でいられたら人生…

「祝福」 2010

★★★☆☆ 短編小説集と知らずに読み始めたので、油断して最初の短編を読み終わってしまっていた。 著者 bookcites.hatenadiary.com 祝福 (河出文庫) 作者: 長嶋有 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2014/01/08 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (3件)…

「ほっこりミステリー」 2014

★★★☆☆ 確かに人は死なないけど、ほっこりとはしない。別にいい話に仕立てようとしなくてもいいのに。 著者 bookcites.hatenadiary.com 中山七里/柚月裕子/吉川英梨 ほっこりミステリー (宝島社文庫) 作者: 伊坂幸太郎,中山七里,柚月裕子,吉川英梨 出版社/…

「ゴランノスポン」 2011

★★★★☆ 最初の3作品ぐらいはすごいな、って思って読んでいたんだけど、以降はそんなにだった。ただ随所に光るものがあるのはさすが。タイトルは解説読んで成程と分かった。 著者 bookcites.hatenadiary.com ゴランノスポン (新潮文庫) 作者: 町田康 出版社/メ…

「運命の人はどこですか? 」 2013

★★★☆☆ こういうテーマの時には敢えてハズしたくなるものだけど、それでも真正面から描く作家は偉い。残念ながらこのタイトルから期待するものを超えてくる作品は無かったけど。 著者 bookcites.hatenadiary.com 飛鳥井千砂/彩瀬まる/瀬尾まいこ/南綾子/…

「僕らはまだ、恋をしていない! 」 2013

★★★☆☆ 年齢的なものだろうけど、ちょっと読んでてつらかった。きっと中高生にはハマるのだろう。中村航はこっちの方向に進んでいくのだろうか。それなりの需要はあるのだろうし、そういうのも世には必要とは思うのだけど。 著者 bookcites.hatenadiary.com …

「円卓」 2011

★★★★☆ こうやって無邪気な子供がいつの間にか無口な少年・少女になるんだな。最近はいつまでたっても無邪気な大人も多いけど。 真剣な手芸部部長が真剣過ぎて面白い。 著者 bookcites.hatenadiary.com 円卓 (文春文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 文藝…

「エール! (3) 」 2013

★★★☆☆ 最後の伊坂幸太郎が、それまでの他の作家の物語を勝手につなげているのが、さすがだった。それ以外はまぁ普通の仕事の話。 著者 bookcites.hatenadiary.com 原田マハ/日明恩/森谷明子/山本幸久/吉永南央 エール!(3) (実業之日本社文庫) 作者: …

「民宿雪国」 2010

★★★★☆ 相変わらずどぎつい話だが、意外と純愛の物語だった。ちゃんと読みごたえがあり、満足感はある。 著者 bookcites.hatenadiary.com 民宿雪国 (祥伝社文庫) 作者: 樋口毅宏 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2013/10/11 メディア: 文庫 この商品を含むブ…

「チア男子!!」 2010

★★★☆☆ ちゃんと前ふりはしてるけど、やっぱり男がチアやるっていうのは、もっと抵抗があるんじゃないかと思うけど。ましてや柔道部だった男がやるのは。もうちょっとそこら辺に説得力が欲しかった。 正直長く感じた。重要なシーンは一旦隠してあとで少しずつ…

「マリアビートル」 2010

★★★★☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com ここ最近の伊坂作品で久しぶりにシンプルに楽しめた。列車の中で起こる様々な出来事。密室の中で殺し合うしかない状況。緊張感もあり、伏線回収の面白さもあり。 人の心を操る中学生の描き方が恐ろしくもあった。こん…

「桐島、部活やめるってよ」 2010

★★★★☆ 今でいうスクールカーストの話も感じさせながら、同じ高校の様々な生徒たちの心情が綴られている。それを登場しない桐島に絡ませている構成がうまい。しかし、様々な立場の生徒たちを男女ともに良く描けるよなと感心する。著者はどのタイプの生徒だっ…

「モモ」 1973

★★★☆☆ 著者 ミヒャエル・エンデ 時間について考えさせられる。けどやっぱり子供向けの本。 モモ (岩波少年文庫(127)) 作者: ミヒャエル・エンデ,大島かおり 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2005/06/16 メディア: 新書 購入: 41人 クリック: 434回 この商…

「四畳半王国見聞録」 2011

★★★☆☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 京都の学生たちを描いた連作短編集。 「四畳半神話大系」と関連があるのかないのか分からないような短編集。といっても「四畳半神話大系」の登場人物たちの名前や細かいところは覚えていないので実は登場人物が同じだ…

「僕のなかの壊れていない部分」 2002

★★★☆☆ 著者 白石一文 僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫) 作者: 白石一文 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/03/10 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (83件) を見る // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenad…

「雑司ヶ谷R.I.P.」 2011

★★★★☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 死んだ教祖の人生とその跡目を争う壮絶な戦い。 死んだ教祖の人生に登場してくる人物たちや主人公の周りに集まる人間たちが現実の誰かを想像させる描写で面白いけど、こんなこと書いちゃって大丈夫なのと勝手に不安に…

「さよなら、手をつなごう」 2013

★★★☆☆ 短編集。 主な舞台は中学、高校で主人公は女の子というパターンが多い。歳とってからこういう年代の物語を読むのも悪くないとも思うがこれはちょっときついな、っていう感じだった。現役の女子中高生にとってはぴったりなのだろうけど、いい歳こいて女…

「バイバイ、ブラックバード」 2010

★★★★☆ 5股をかけていた男が、すべての女性と別れるために彼女たちの元を訪れる。 5股とかすごい設定にしてきたなと思うけど、それぞれのエピソードが、毛並みが違って面白い。そしてその別れ話全てに付き合うことになった、口の悪い巨漢の女に次第に親近感が…

「あのとき始まったことのすべて」 2010

★★★★☆ ふとしたことがきっかけでかつて中学の時に机を並べて共に過ごした女性と再会することになった男。 会話が面白い。読んでいてニコニコしてしまう。主人公はそんな風に面白い事ばかり言っていて堅苦しい事を言わないのだが、だけどそこに信念のような強…

「蟹工船」 1929

★★★★☆ 著者 小林多喜二 蟹工船 作者: 小林多喜二 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 クリック: 2回 この商品を含むブログ (15件) を見る 蟹工船 - Wikipedia // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenadiary.com

「ドグラ・マグラ」 1935

★★★★☆ 著者 夢野久作 ドグラ・マグラ 作者: 夢野久作 発売日: 2012/10/01 メディア: Kindle版 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る ドグラ・マグラ - Wikipedia // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenadiary.com

「横道世之介」 2009

★★★☆☆ 大学進学のために上京した男の一年。 どこかとぼけた文章で、上京一年目の生活が綴られる。時代はバブル期前夜。バイトでチップを一万円もらったり、仲間とクルージングしたり、土地売買のきな臭い話が出てきたりと、当時の世相が反映されている。バブ…

「最後の恋 MEN'S つまり、自分史上最高の恋。」 2012

★★★☆☆ 7人の作家によるアンソロジー。 恋愛をテーマに描くとどうしても出会いと別れになってしまうな。音楽でもそうだけど。やっぱりその時が一番心が揺れ動いてドラマになりやすいからだろう。 伊坂幸太郎の「僕の船」。子供の時ならともかく、大人になっ…

「グレート・ギャツビー」 1925

★★★☆☆ 田舎から出てきた男が出会った出自不明の大金持ちの男の話。 正直、村上春樹が高く評価しているということで、ハードルを高く設定しすぎてしまったかなっていう気もする。 話自体も大作という感じではなく。なので文章の美しさや細かい描写に注目する…

「1Q84」 2010

★★★★☆ 作家の卵の男が編集者にそそのかされ、ある少女の小説を書き直すことになる。 文庫だと6冊にわたる長い小説。それだけに色々な要素を含んでいる。小説や父親の話、宗教や社会運動、ロシアの少数民族やユングまで、様々な話が次々と出てくる。村上春樹…

「何もかも憂鬱な夜に」 2009

★★★☆☆ 施設で育ち友人を自殺で失い、今は刑務官を務める男。 ずっと陰鬱な気分が続く作品。主人公は過去の出来事を引きずり、恩師の存在を支えに生きている。 つらい思い出や苛立たしさを抱えながらも、人間が生きていくために必要な事って何なんだろう。こ…

「ねたあとに」 2009

★★★★☆ 東京の猛暑を避けて涼しい山の別荘で緩く過ごす親子と、その訪問者たち。 張切って何かをするわけでもなく緩く過ごしているだけだけど、だけどやることはちゃんとやっている。布団干しとか料理とか。最低限の決まり事だけ作って、その他の些細な問題は…

「少女七竈と七人の可愛そうな大人」 2006

★★★☆☆ 旭川でいんらんな母親から生まれた、美しいかんばせを持った少女七竈と彼女を取り巻く大人たちとの物語。 美しいものは異形だ。平均以下の顔の持ち主が異形のように。平均的な顔の持ち主の中に一人美しい者が混じっていたら確実に目につく。ましてや田…

「恋文の技術」 2009

★★★★☆ 北陸の施設で研究を行なう京都の大学生の、各方面との手紙のやりとり。 いつもの森見登美彦らしく、日々を悶々と過ごす若者の、はたから見ればくだらない、だけど当人にしたら至って真剣な日々が描かれる。相変わらず下らなく面白い。今回はすべてが手…

「ミュージック・ブレス・ユー !!」 2008

★★★☆☆ 卒業が近付いた女子高生の揺れる気持ち。 おおよそたいていの人が高校に行くとして、3年生は初めて人生の岐路に立つときである。今まで皆同じように時間を過ごしてきたけど、その先は大きく違ってくる。働く者、進学する者。皆がずっと同じような道を…