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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

小説

「四畳半王国見聞録」 2011

★★★☆☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 京都の学生たちを描いた連作短編集。 「四畳半神話大系」と関連があるのかないのか分からないような短編集。といっても「四畳半神話大系」の登場人物たちの名前や細かいところは覚えていないので実は登場人物が同じだ…

「僕のなかの壊れていない部分」 2002

★★★☆☆ 著者 白石一文 僕のなかの壊れていない部分 (光文社文庫) 作者: 白石一文 出版社/メーカー: 光文社 発売日: 2005/03/10 メディア: 文庫 購入: 5人 クリック: 36回 この商品を含むブログ (83件) を見る // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenad…

「雑司ヶ谷R.I.P.」 2011

★★★★☆ 著者 bookcites.hatenadiary.com 死んだ教祖の人生とその跡目を争う壮絶な戦い。 死んだ教祖の人生に登場してくる人物たちや主人公の周りに集まる人間たちが現実の誰かを想像させる描写で面白いけど、こんなこと書いちゃって大丈夫なのと勝手に不安に…

「トム・ソーヤーの冒険」 1878

★★★☆☆ 悪戯をしてはいつもおばさんに怒られてばかりいるトム・ソーヤ―の物語。 最初のペンキ塗りの話はなかなか皮肉が効いていて面白い。こんな調子でいくつかの話が展開されていくのかと思ったら、家出したり、殺人事件に遭遇したり、洞窟で遭難したりと、…

「さよなら、手をつなごう」 2013

★★★☆☆ 短編集。 主な舞台は中学、高校で主人公は女の子というパターンが多い。歳とってからこういう年代の物語を読むのも悪くないとも思うがこれはちょっときついな、っていう感じだった。現役の女子中高生にとってはぴったりなのだろうけど、いい歳こいて女…

「バイバイ、ブラックバード」 2010

★★★★☆ 5股をかけていた男が、すべての女性と別れるために彼女たちの元を訪れる。 5股とかすごい設定にしてきたなと思うけど、それぞれのエピソードが、毛並みが違って面白い。そしてその別れ話全てに付き合うことになった、口の悪い巨漢の女に次第に親近感が…

「あのとき始まったことのすべて」 2010

★★★★☆ ふとしたことがきっかけでかつて中学の時に机を並べて共に過ごした女性と再会することになった男。 会話が面白い。読んでいてニコニコしてしまう。主人公はそんな風に面白い事ばかり言っていて堅苦しい事を言わないのだが、だけどそこに信念のような強…

「蟹工船」 1929

★★★★☆ 著者 小林多喜二 蟹工船 作者: 小林多喜二 発売日: 2012/09/27 メディア: Kindle版 クリック: 2回 この商品を含むブログ (15件) を見る 蟹工船 - Wikipedia // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenadiary.com

「ドグラ・マグラ」 1935

★★★★☆ 著者 夢野久作 ドグラ・マグラ 作者: 夢野久作 発売日: 2012/10/01 メディア: Kindle版 クリック: 2回 この商品を含むブログを見る ドグラ・マグラ - Wikipedia // bookcites.hatenadiary.com bookcites.hatenadiary.com

「横道世之介」 2009

★★★☆☆ 大学進学のために上京した男の一年。 どこかとぼけた文章で、上京一年目の生活が綴られる。時代はバブル期前夜。バイトでチップを一万円もらったり、仲間とクルージングしたり、土地売買のきな臭い話が出てきたりと、当時の世相が反映されている。バブ…

「最後の恋 MEN'S つまり、自分史上最高の恋。」 2012

★★★☆☆ 7人の作家によるアンソロジー。 恋愛をテーマに描くとどうしても出会いと別れになってしまうな。音楽でもそうだけど。やっぱりその時が一番心が揺れ動いてドラマになりやすいからだろう。 伊坂幸太郎の「僕の船」。子供の時ならともかく、大人になっ…

「グレート・ギャツビー」 1925

★★★☆☆ 田舎から出てきた男が出会った出自不明の大金持ちの男の話。 正直、村上春樹が高く評価しているということで、ハードルを高く設定しすぎてしまったかなっていう気もする。 話自体も大作という感じではなく。なので文章の美しさや細かい描写に注目する…

「1Q84」 2010

★★★★☆ 作家の卵の男が編集者にそそのかされ、ある少女の小説を書き直すことになる。 文庫だと6冊にわたる長い小説。それだけに色々な要素を含んでいる。小説や父親の話、宗教や社会運動、ロシアの少数民族やユングまで、様々な話が次々と出てくる。村上春樹…

「何もかも憂鬱な夜に」 2009

★★★☆☆ 施設で育ち友人を自殺で失い、今は刑務官を務める男。 ずっと陰鬱な気分が続く作品。主人公は過去の出来事を引きずり、恩師の存在を支えに生きている。 つらい思い出や苛立たしさを抱えながらも、人間が生きていくために必要な事って何なんだろう。こ…

「ねたあとに」 2009

★★★★☆ 東京の猛暑を避けて涼しい山の別荘で緩く過ごす親子と、その訪問者たち。 張切って何かをするわけでもなく緩く過ごしているだけだけど、だけどやることはちゃんとやっている。布団干しとか料理とか。最低限の決まり事だけ作って、その他の些細な問題は…

「少女七竈と七人の可愛そうな大人」 2006

★★★☆☆ 旭川でいんらんな母親から生まれた、美しいかんばせを持った少女七竈と彼女を取り巻く大人たちとの物語。 美しいものは異形だ。平均以下の顔の持ち主が異形のように。平均的な顔の持ち主の中に一人美しい者が混じっていたら確実に目につく。ましてや田…

「恋文の技術」 2009

★★★★☆ 北陸の施設で研究を行なう京都の大学生の、各方面との手紙のやりとり。 いつもの森見登美彦らしく、日々を悶々と過ごす若者の、はたから見ればくだらない、だけど当人にしたら至って真剣な日々が描かれる。相変わらず下らなく面白い。今回はすべてが手…

「ミュージック・ブレス・ユー !!」 2008

★★★☆☆ 卒業が近付いた女子高生の揺れる気持ち。 おおよそたいていの人が高校に行くとして、3年生は初めて人生の岐路に立つときである。今まで皆同じように時間を過ごしてきたけど、その先は大きく違ってくる。働く者、進学する者。皆がずっと同じような道を…

「赤目四十八瀧心中未遂」 1998

★★★☆☆ 尼崎の鍵の壊れたアパートで腐りかけの臓物に黙々と串をさす男。 何も望まずただ生きる。何かを手に入れられそうになると何故だか分からないが拒否したくなってしまう。そんな気持ちがなんとなく分かる。ある意味潔癖なのかもしれない。もしくはそれが…

「アルケミスト - 夢を旅した少年」 1988

★★★★☆ 羊飼いの少年が、ある日夢で見た宝物を探して旅に出る。 嫌な予感がよぎりつつ読んでいたが、その予感が当たらないでよかった。宝物を探すうちに得た経験や知識、出会いがかけがえのない宝物となりました、本当に大切なものは、モノなどではないのです…

「疾走」 2003

★★★★☆ 「浜」と「沖」の区別がある町で暮らす少年に起こった、痛々しい物語。 ずっと胸が詰まるような思いで物語を読み進まなければいけない。乾いた文章。「絶望」という言葉が浮かぶ。だけど、読むのを止めることが出来ない。 こんな状況におかれたら、正…

「永遠の0」 2006

★★★★☆ 特攻で戦死した祖父を調査するうちに明るみになる驚きの事実。 お国のために戦い死ぬ事こそが愛国心の表現だと信じ込まされていた時代に、家族のために必死に生き残ろうとした男。これ自体はそんな真新しさは無いのだけど、熟練のパイロットによる零戦…

「なんくるない」 2004

★★★☆☆ ”吉本”から”よしもと”に改名していたよしもとばななの、沖縄を舞台にした短編集。 外から沖縄に来た人たちの物語。沖縄には行ったことがないので実際の雰囲気は知らないが、テレビや雑誌で見る沖縄はのんびりとしている。人々も素直でいい人たちばかり…

「フィンガーボウルの話のつづき」 2001

★★★☆☆ どんな小説かと問われるとうまく説明できないような、ふわふわした印象の小説。 食堂をテーマにした小説を書きたいんだけど、なかなか最初の言葉が見つからなくて書き始めることが出来ない物書き。その苦悩が書き綴られるのかと思いきや、そのアイデア…

「忍びの国」 2008

★★★☆☆ 著者 和田竜 伊賀の忍び達と織田軍との戦い。 ちょっと自分の中にある忍者のイメージとは違った。さすがに表舞台で暴れまくるという、いかにも外人が思い浮かべるイメージではないが、掟を守るストイックな侍のような精神を持った人間だと思っていた。…

「鴨川ホルモー」 2006

★★★☆☆ 不思議なサークルで行なわれる奇妙な競技。 ホルモーについての描写が当然多いのだけど、簡単に言えば青春小説。とはいえ主人公は京大生だからなのか、割り切りはいいし、自己処理に長けていて煩悶したりはしない。思うようにいかないことが多いだけ。…

「さよなら渓谷」 2008

★★★☆☆ 容疑者の女の隣に住む、なんとなく違和感を覚える男女の関係が次第に明らかになっていく。 確かに最初はこの容疑者との関係に気を取られていたが、事実が明らかになる前になんとなく分かってしまった。話の持っていき方からすると、著者自身はこの種明…

「ゴールデンスランバー」 2007

★★★★☆ 巨大な敵の陰謀に巻き込まれた主人公の戦い。しかしもはや犯人が誰か、とかじゃないレベル。 物語を通して、情報技術が発展し個人情報を簡単に入手できてしまう不気味さや、自分のためにしか動かない政治家、ポリシーのないマスメディア、正義ではなく…

「のぼうの城」 2007

★★★★☆ 豊臣秀吉の小田原征伐の際、小田原城が落ちるまで陥落せず、豊臣方と戦った支城、忍城の物語。 小田原征伐は豊臣秀吉の天下統一の最後の大戦で、しかも始まる前から既に勝負は決していたようなもの、ぐらいの知識しかなかったので、この忍城の話は初め…

「有頂天家族」 2007

★★★☆☆ タヌキと天狗と人間の話。それだけ聞くとなんだか馬鹿げた話のように思えるが、舞台が京都となると話は変わってくる。タヌキも天狗もいるような気になってくる。まぁ、タヌキはいるんだろうが。人間じゃないものが普通に人間のような格好をして暮らし…

「エロマンガ島の三人」 2007

日本でも行った事ないトコなんて山ほどあるのにましてや世界じゃ死ぬほどあるわけで。行った事のない場所にも2種類あって知っている場所か、知らない場所か。知っている場所ならいつか思い立って行くこともあるかもしれないが後者の場合はまず行かない。なん…

「乳と卵」 2008

関西弁で一文が長いこの文体はどうしても町田康を思い浮かべてしまうのだけども、もちろん受ける印象は違う。町田康はどこか自分で自分を笑うような独り相撲の感があるが、川上未映子はどこか自分に対しても冷めてるような印象を受ける。こういう頭の中をめ…

「ラットマン」 2008

元バンドメンバーの彼女の死と幼い頃に起きた姉の死。二つの事件が交錯しながら話は進む。 物語の中の何気ない描写や言葉が全て伏線になっていて気が抜けない。だけど気になってどんどん読んでしまう。何度もどんでん返しが起こり面白い。 ただ、それぞれの…

「東京島」 2008

無人島で男ばかりの中に女が一人。これだけで色々と想像してしまうが、その女が40代半ばという設定なのがうまい。ちなみにアナタハンの女王事件を題材にしているが、現代を舞台にしている。 女を奪い合う事に終始するかと思ったがそういうわけでもなく、そ…

「オン・ザ・ロード」 1957

遠くから見ていたい人というのがいる。近くで関わってしまうと面倒なことに巻き込まれそうで、だけどそいつが次に何をやらかすかは興味がある。だから遠くで、少し離れて観察していたい、そんな人間。 で、この本の中ではそんな人間に自ら巻き込まれて、アメ…

「食堂かたつむり」 2008

なんだかこんな話をするのをするのは申し訳ないけど、料金体系どうなってんの?とか、それで経営は成り立ってんの?とか、世の中なめてんの?とか気になってしょうがない。夢がなくて申し訳ない。夢にもそんなことを考えてしまわない、ゆとりある心のきれい…

「あおい」 2004

表題作はふらふらとしていた主人公が、田舎の夜の山道で倒れこんでから力強く立ち上がり、まっすぐに進んでいくのが印象的。 面白いTシャツを着ている人は好きだな。面白いでしょ?みたいな感じじゃなくて普通にそれを着ちゃえる人が。 「空心町深夜二時」は…

「ダンス・ダンス・ダンス」 1988

珍しく途中一瞬ミステリー風。 村上春樹の本を読むと、料理をして美味しいものを食べたくなる。 ラスト近くの東京から彼女のいる札幌に移りすむと当然のように、そして次第に力強く決意していくシーンは気持ち良かった。 著者 bookcites.hatenadiary.com ダ…

「愛にこんがらがって」 2003

みうらじゅん初の長編小説。とか言っていきなりこんな内容の小説を書くってすごいな。 いろんなものを投げやって、欲望に突き進んでしまうその感じ、わからなくはない。わかってるんだけど止められない、みたいな。気がつけば大切なものが失われている。 ラ…

「告白」 2008

最初の章はちょっと衝撃的だった。教師が淡々と語り、最終的には教育的指導的な結びになるかと思ったのに。 しかし、この作者相当世の中嫌いなんだろうなぁと思わせる。どの登場人物もどこか歪んでて悪意さえ感じるような描き方。彼らが語る言葉にも世間への…

「あなたがここにいて欲しい」 2007

田舎にはヤンキーとファンシーだけが残る、ってまさにその通り。ジャージ姿で町をうろついたりキャラクターのぬいぐるみを満載した車に乗ったり。有りか無しかかでいったら有り、っていう奴だけが田舎に残り、それが無しって人間は都会に出て行ってしまう。…

「あの歌がきこえる」 2009

最近では数日前に買ったCDのタイトルすら思い出せないのに、何で10代の頃によく聴いていた歌は今でもよく覚えているんだろう?そしてイントロが流れただけで当時の出来事を思い出す。 1970年代半ばに中学生になった主人公の高校卒業までの出来事が当時…

「夕子ちゃんの近道」 2006

いまどき、しかも都会で大家と店子、ご近所との付き合いがあるって言うのも珍しい。だけど、落語の世界のように互いが濃い関係で付き合っているわけではなく、なんとなく付き合っている。だから、相手の詳しいことまでは分からないし、相手が話し出すまでは…

「絶対、最強の恋のうた」 2006

6人の作家による短編集「I LOVE YOU」に収録されている「突き抜けろ」に新たに章を追加したもの。 この小説に登場する人物達は若いのに悟っているというか、落ち着いているというか。ガツガツしてないし、葛藤したりはしない。素直。もっとこの年頃の人間っ…

「西の魔女が死んだ」 1994

著者 梨木香歩 この「西の魔女」の暮らし方にはかなり憧れる。太陽の光で目覚め、自分で育てた野菜を食べ、暗くなれば眠る。そんな生活。 とはいえ、なかなかそんな生活は出来ない。まずは家が自分のものである必要があるし、野菜を育てる土地も手に入れなけ…

「100回泣くこと」 2005

泣かせる話って言うのはどうも苦手。作者の意図が感じられる。「全米が泣いた!」とかのフレーズなんて、全米を泣かせてやったぜという製作者の得意げな表情が目に浮かんでしまう。大体、人が死んで悲しいのなんて普通。 だけどそれも描き方次第。 この話は…

「パラレル」 2004

そういう世代の人たちが活躍する時代になったからか、最近小説の中で普通にテレビゲームの話が出てくる。さらっと。まぁガンダムがどうこうとテレビで普通に熱く語られる時代なのだから、別に不思議はないんだけど。 人間歳を重ねれば色々ある。結婚したり会…

「ぐるぐるまわるすべり台」 2004

ぐるぐるまわるすべり台、ってなんてタイトルだって思ったけど、ビートルズの曲「ヘルタースケルター」の事だった。 主人公が大学を辞めるところから物語が始まる。そして、バンドメンバーの募集。携帯のバンドメンバー募集サイトに書き込んだ内容がカッコい…

「ジャージの二人」 2003

★★★★★ 煩わしい日常を生きてるとどっか遠くで一人でのんびり過ごしたいなーなんて時々思うけど、実際そんなことをやってみるとそんなにのんびりとリラックスなんか出来ないんだろうな。傍目にみればだらだらと何にもやってないように見えてもきっと頭の中で…

「カラマーゾフの兄弟」 1880

-きっとそこらの作家なら1冊で余裕で書き終えられるミステリー小説。一人ひとりを丹念に描いていく。多分読み方としてはそれぞれの章を味わうのが正解なんだろうな。 -正直宗教が前面に出ていると神様を信じない僕にとっては結構しんどかった。しかし、卑怯…