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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「利休にたずねよ」 2008

★★★★☆ 秀吉に切腹を命じられた千利休。茶人として美を追求した彼のその根源を振り返る。 これを読むまでこの頃の武将たちがなぜ茶道に熱狂していたのか、今いち理解できずにいたが、何となくわかったような気がした。茶を飲むこと自体が心を落ち着かせるもの…

「アイネクライネナハトムジーク」 2014

★★★☆☆ ボクシングヘビー級チャンピオンの周辺で起きる出来事を描いた連作短編集。 大きな事件も悲惨な出来事も起こらない、ちょっとした日常に起きた小さな出来事を、いつものようにうまく関連付けながら描いている。今回は女性が結婚すると名字が変わること…

「マクベス」 1606

★★★☆☆ 敵を蹴散らした将軍が主君のもとに戻る途中、魔女たちから予言を聞く。 声に出して読んでみたら気持ち良さそうなセリフが並んでいる。普通にこんなセリフを使ったら何を大仰な、と思ってしまうが、舞台でなら映えるのだろうな。 将軍を唆す魔女たちも…

「世界のエリートがやっている 最高の休息法」 2016

★★★★☆ グーグルやフェイスブックなど巨大企業が続々と導入している「マインドフルネス」を紹介する。 著者はイェール大学の医学部で先端脳科学を研究し、現在はロスで精神科医としてクリニックを開院している人物。「マインドフルネス」とは簡単に言ってしま…

「小さいおうち」 2010

★★★★☆ 一人余生を過ごす老婆が、かつて女中として働いていた戦前の思い出を綴る。 戦争中の様子を綴る元女中。しかし、そこで描かれる生活はこの時代を歴史の教科書で学んだ人間の想像とは全く違うものだ。立て続けに戦争を繰り広げていたこの時代はきっと人…

「考える技術・書く技術 -問題解決力を伸ばすピラミッド原則 」 1999

★★★☆☆ ビジネス上で作成する文書の構成方法について書かれた本。 著者は文書は導入部とピラミッド構造の構成で文書を作成するよう説く。常にこの構成を意識することで相手に自分の考えを上手く伝えることができ、また、書く前に自身の考えが足りない部分に気…

「新訳 地下室の記録」 2013

★★★☆☆ 引きこもり生活を続ける男が、過去のある出来事を綴る。 若き日の主人公の行動が読んでいて痛々しい。他人を見下しており、勝手に激怒して相手すら気づかないような復讐をしたり、決意した行動を結局行わなかったり。従僕人を手懐けられず、娼婦相手に…

「海と毒薬」 1957

★★★★☆ 戦時中に捕虜に対して行われた人体実験。 状況に流された者、自身の感情の変化を観察することに興味を覚えた者、一種の復讐のつもりで応じた者、人体実験に関わった人間たちの内情は様々だ。ただ彼らに共通しているのは、それを行うこと自体は仕方がな…

「教団X」 2014

★★★★☆ 自殺をほのめかして去った恋人を捜すために、男はある宗教団体を訪ねる。 前半に出てくる教祖の話は、宗教から心理学、宇宙理論まで取り入れられ、小難しくあるがなかなか面白い。全てに納得できるわけではないが、もしかしたらそうなのかもしれない、…

「小商いのはじめかた 身の丈にあった小さな商いを自分ではじめるための本」 2014

★★★☆☆ 綿密なマーケティングを行い、明確なヴィジョンを定め、経営計画を建ててからビジネスを始めるのではなく、肩肘張らない小さなビジネスの紹介。 本の中で様々な小商いを行っている人たちの経緯などが紹介されるが、つくづく実感するのはとにかく始めな…

「考えてるつもり  ー「状況」に流されまくる人たちの心理学」 2013

★★★★☆ 例えば誰かが荒っぽい車の運転をしているのを見た時、あの人は自分勝手な傍若無人な性格なんだろうな、と思いがちだが、実際は緊急事態で急いでいるだけなのかもしれない。人は他人の行動を見ただけで、その人の人格を決めつけてしまい、その時の状況…

「仕事は楽しいかね?」 2001

★★★☆☆ 雪のため空港で一夜を過ごすことになってしまった、しがない会社員の男が、富豪の老人と知り合い教えを受ける。 男が老人と会話をすることで、仕事、人生に関わることを学んでいくという寓話的な内容。正直、こういうタイプの本って、示唆する内容を読…

「健康男: 体にいいこと、全部試しました!」 2013

★★★☆☆ 世界一の健康体になるために、様々な健康法を試す著者。 胃、心臓、耳など体を各パーツに分けて、毎月一箇所ずつ集中して取り組んでいく著者。結構設定が雑で、どうしてその健康法を選んだのか、かなり曖昧。ただ、毎日のように健康にはアレが良い、コ…

「どつぼ超然」 2010

★★★☆☆ 飄然としたいと風光明媚な温泉地に移り住んだ男。 飄然と、超然とするために、修行のような心持ちで男は出かけていく。そうは言いながらも、何かを見つけては過剰な妄想を膨らまし、誰かを見ては勝手に想像し、心の中は乱れに乱れている。そして、思い…

「マインドセット「やればできる! 」の研究」 2016

★★★☆☆ ”マインドセット”とは「心のあり方」。ひとは、人間の能力は固定的だと信じる硬直マインドセットを持った人と、人間の基本的資質は努力次第で伸ばすことができると考えるしなやかマインドセットを持った人の2種類に分けられる。 予想どおり、しなやか…

「陰翳礼讃」 1939

★★★★☆ いきなり日本のトイレの良さについて熱弁するので戸惑ってしまうが、陰翳の中に美を見出すというのは何となく分かる。 そもそも日本の伝統的な工芸や風習はそんな陰翳の世界で生まれたという前提にたって改めて見てみると、色々と納得できる。蒔絵や金…

「ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング」 2013

★★★★☆ ゼロ秒思考を身につけるためのメモ書きの方法。 物事について頭の中で考えるとき、様々な思考が行ったり来たりしたり、堂々巡りを繰り返すばかりで、一向に事が前進しないことがある。そんな有りがちな問題を解決するために著者が提案するのが、思いつ…

「みんなの進化論」 2009

★★★☆☆ 進化論にまつわる面白い話が展開されるのかと思ったら、全然違った。もっと進化論を取り入れて考えようみたいな話。 冒頭から進化論は敬遠されがちという話で意外な感じがしたが、優生学的なものを連想させたり、欧米では宗教の創造説との兼ね合いもあ…

「上杉謙信」 1942

★★★★☆ 約定を破り攻め込んできた武田信玄に怒り、決死の覚悟で戦いを挑む上杉謙信。 第4次川中島の戦いを中心に描いた作品。決戦の火蓋が切られるまでの静かな描写と、いざ戦が始まった時の激しい描写が印象的で、読み応えがある。序盤の上杉軍の大勝利的雰…

「海馬 脳は疲れない」 2002 

★★★☆☆ 脳科学者と糸井重里による「海馬」を中心とした対談。 脳は疲れない、心臓のように24時間活動している、っていうのはよく考えてみると不思議だ。それなら心身を休ませているとされる睡眠って何なんだ。必要ないんじゃないか、と考えてしまう。 睡眠中…

「謎の独立国家ソマリランド そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア」 2013

★★★★☆ リアル北斗の拳の世界とも言われるソマリアに、実際に訪れてみたルポ。 正直、ソマリアは時々ニュースなどで見聞きするだけで、どんな国かなんて全然知らなかった。よくあるアフリカの内戦のように、人々が度重なる戦闘で疲弊しているんだろうな、ぐら…

「 脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方」 2008

★★★★☆ 脳の働きから見た運動の効用を説いた本。 通常、脳と体は別物として考えがちだが、この本を読むとそうではなく、互いに作用していることがよく分かる。人類は狩猟や木の実の採集、はたまた生命を脅かす危機から逃走するなど、何かしら体を動かしたあと…

「きことわ」 2011

★★★☆☆ 幼いころ、毎年のように同じ時間を過ごしていた女性二人が、25年ぶりに再会する。 人間の記憶は不確かなもので、大事なことを忘れていたり、どうでもいいことを覚えていたりする。そして同じ時を過ごしたとしても、それぞれが覚えていることが違った…

「しらずしらず あなたの9割を支配する「無意識」を科学する」 2013

★★★☆☆ 人々の行動に大きな影響を及ぼしている無意識。 単純に見たものや聞いたことまでが、実際は無意識下で処理されていることに驚く。ある文章の単語の一文字を消去したテープを聞かせても、文章の前後から推測して聞き取ることができ、しかも本人は一文字…

「服従」 2015

★★★★☆ イスラーム党が政権を握ったフランスで、大学教授の男が職を解かれる。 こういう話にリアリティを感じるほど、欧州は切実なんだな、と改めて認識させられた。たしかに最近の欧州のニュースはきな臭いものが多い。自分たちは衰退の道を歩んでいると薄々…

「社会はなぜ左と右にわかれるのか 対立を超えるための道徳心理学」 2014

★★★★☆ 道徳は理性によるものか、直感によるものかの考察から始まり、次にそもそも道徳とは何を基盤にしているのかを明らかにし、そして、保守とリベラルについて論じられており、哲学から宗教、人類の進化など多岐に渡る分野を用いて広い視点で展開されてお…

「宇喜多の捨て嫁」 2012

★★★★☆ それぞれの視点から見た宇喜多直家。 最初に裏切り、毒殺、暗殺を繰り返し、梟雄として知られる直家のイメージ通りの姿を描いておいて、そのイメージを揺らがしていく展開がうまい。 戦いではなく、暗殺や謀殺で領地を拡大していく方法は、たしかにダ…

「イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」」 2010

★★★☆☆ 生産性を高めるための手法を語った本。 生産性が高い人は、一つ一つの仕事をこなすスピードが早い人でも、人よりも多くの時間をがむしゃらに働いている人でもない。その時、その場所で最も重要な問題から取り組む人だ。 仕事で様々な問題が見えてくる…

「ずる 嘘とごまかしの行動経済学」 2012

★★★★☆ 人はなぜ不正を行うのか、どんな時に不正を行うのか、実験の結果を通して考察する。 人はだれでも不正を行う。この本のなかで紹介される実験でも、不正のチャンスが有ればみな不正を行っている。そのような行動を取りながらも、みな道徳観や倫理観を持…

「銃・病原菌・鉄 1万3000年にわたる人類史の謎」 1997

★★★☆☆ 原始時代、人類は各大陸で同じような狩猟採集生活を送っていたはずなのに、やがて一方の大陸が一方の大陸を征服できるほどにまで差がついたのはなぜなのか、なぜその逆ではなかったのか、検証する。 評判の良い本だということは知っていたが、味気ない…