ぐるぐるまわるすべり台、ってなんてタイトルだって思ったけど、ビートルズの曲「ヘルタースケルター」の事だった。
主人公が大学を辞めるところから物語が始まる。そして、バンドメンバーの募集。携帯のバンドメンバー募集サイトに書き込んだ内容がカッコいい。確かにカッコいいバンドはそんな感じだ。二面性のあるバンド。メンバーが次々と決まっていきどんな展開になるんだろうと思っていたのに。すかされた感はあるけどそんなに悪い気はしなかった。
そして、もう一篇収められた「月に吠える」。ヒヤリハットだのQCサークルだの工場勤務者にとってはなじみの深い言葉がたくさん出てくる。格差社会だとかいって「蟹工船」が売れちゃう時代だからこれもプッシュすれば意外と売れそうだけど。しかも、気持ちが暗くなるような事もなく、むしろ、読後感は明るい。
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