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「コンテナ物語 -世界を変えたのは「箱」の発明だった」 2007

コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった

 

感想

 今や身近にあるもので純粋な日本製品なんてほとんどない。鮮度が重要な野菜や果物でさえ外国産であふれている。百円ショップで売られているものでもアジアなどの製品だ。

 

 世界中のどこか、人件費などのコストがもっともかからない場所で生産されて日本に運ばれてくる。それを可能にしたのがコンテナによる効率的な大量輸送だ。それまでネックとなっていた、輸送費の全体に占める割合を大幅に縮小した。その歴史を紹介したのがこの本。

 

 

 コンテナが登場するまでは、大勢の港湾労働者による人力によって、すべてのものが船に積み込まれ、積み降ろされていた。しかしコンテナの登場により、それらの人々は港から去った。そして、大量のコンテナを運ぶコンテナ船が停泊できない港は、国際貿易の舞台から消えていった。コンテナの登場により大きく変わったロジスティックスの世界が、興味深く描かれている。

 

 その他、大量の港湾関係の失業者の問題、コンテナの規格の問題などコンテナの登場により生まれた新たな問題への業界の対応も描かれていてなかなか面白かった。

 

 貿易関係の仕事や勉強している人にとってはかなりためになる内容だと思う。法律や手続き関係の知識だけでなく、国際ロジスティックスの主役であるコンテナの実際の動きを理解する手助けになる。

 

著者

マルク・レビンソン

 

訳者 村井章子

 

 

 

登場する著名人

マルコム・マクリーン

 

 

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