内容
6人の作家による短編集「I LOVE YOU」に収録されている「突き抜けろ」に新たに章を追加したもの。
感想
この小説に登場する人物達は、若いのに悟っているというか、落ち着いているというか。ガツガツしていないし、葛藤したりはしない。素直。もっとこの年頃の人間というのは周りを気にして流されたり、空回りしたりしていると思うのだが、彼らはちゃんと自分らしさを持っている。
相手が幸せな事で自分も幸せを感じ、それを相手も幸せに感じて、それによって自分も更に幸せを感じて永遠に幸せが続くという「最強のスパイラル」現象というのは、確かにそういうことになるなと感心した。実際にこの現象が続く事がなくてもその可能性はあると。
この実も蓋もないタイトルといい、「世界三大美徳の一つは仲良しだ」なんて言ってみたり、なんだかこちらが照れくさくなってしまうのだが、だけど爽やかで悪くない。
著者
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