BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「東京島」 2008

東京島 (新潮文庫)

 

感想

 無人島で男ばかりの中に女が一人。これだけで色々と想像してしまうが、その女が40代半ばという設定なのがうまい。ちなみにアナタハンの女王事件を題材にしており、時代設定は現代となっている。

アナタハンの女王事件 - Wikipedia

 

 女を奪い合う事に終始するのかと思ったがそういうわけでもなく、それぞれの出来事が確かに有り得るなと思えることばかりだった。男同士でひっついたり、趣味をみつけて打ち込んだり。人間は環境に順応できるものだ。

 

 とはいえ、無人島なのにそんなことが出来るのは、食べ物には困らない南の島だからだ。努力しなくてもそれなりにはやっていける。南北問題もこういうところからくるのだろう。食べることに苦労しなければ、人間はそんなに努力をしないのかもしれない。

 

 

 なかなか面白かったが、ラストがちょっといただけない。男ばかりに女一人で通して欲しかったし、それぞれがハッピーエンド的なエンディングを迎えるのがなんだかなぁ、と。

 

著者

桐野夏生

  

東京島 - Wikipedia

 

 

関連する作品

映画化作品

bookcites.hatenadiary.com

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com