★★★☆☆
感想
気になる感じの言葉が目次に並んでいて、とても興味を引かれる。
常に効率を考える事や言われた事をコツコツやる事は、どちらかと言うと社会では褒められる事であるが、それは実は脳にとって悪いことだ、とか言われるとどういう事だと読みたくなってしまう。
この中で一番なるほどと思ったのは「大体できた」と安心してはいけない、という部分だ。仕事などを集中してやっていても、「大体できた」と思った途端にその後の作業がグダグダになることが確かにある。「大体できた」で、脳の中では作業は完了した事になってしまうかららしい。これは普段の生活で気をつけると変化が起きそうだ。
その他にも日常生活で気をつけたいなと思うことは書いてあるのだが、「常に効率を考えている」のは脳に良くない事、等納得できないこともある。筆者は体験で効率的に物事を考えないことで、患者を助けることができた、ということがあったと言うが、それはその効率的な考え方が実は間違ってただけじゃないのか、と疑ってしまう。
マニュアルに従うなというようなことも書いているが、確かに盲目的にマニュアルを遵守するのはどうかと思うが、常により良いマニュアルにするにはどうしたらいいのかと考え、改善しつつ作業を進めるのは脳にとって悪いことではないと思う。
結論として脳の能力を最大限に引き出せるようにするには「人間性を磨くこと」といわれたときには正直脱力した。この本のタイトルからしたら間違ってないのかもしれないが、それは因果が逆だろう。
著者
林 成之