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「忍びの国」 2008

忍びの国(新潮文庫) 

★★★☆☆

 

あらすじ

 伊賀の忍び達と織田軍との戦い。

 

感想

 この小説に登場する忍者たちは、ちょっと自分の中にある忍者のイメージとは違った。さすがに表舞台で暴れまくるという、いかにも外国人が思い浮かべそうなイメージではないが、掟を守るストイックな侍のような精神を持った人間だと思っていた。

 

 だがこの小説の中に登場する忍者達は、仲間は助けないし、主は裏切るし、人が死んでもなにも感じないしと、もうなんでもあり。イメージが覆った。

 

 

 体の関節を自在に外したり、自ら仮死状態になり土の中にもぐったり、毒針が刺さっても何ともなかったりと、嘘みたいなその術は突き抜けていて面白いのだが、誰に感情移入すればいいのか迷ってしまう。ただただ傍観者として眺めているような気分になった。

 

 こんなちょっと典型的な日本人とは違った性格を持った人間がたくさんいた伊賀上野なわけだから、その気質が現代にも残っていてもよさそうなものだが、そんな話は聞かない。本当に日本中に散ってしまったのか。たまになんだか感覚が違うな、という人に出会うことがあるが、その人は実は忍びの子孫なのかもしれない。

 

著者

和田竜

 

忍びの国 - Wikipedia

 

 

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