★★★☆☆
あらすじ
停電の一夜に繰り広げられる人生模様。
感想
製作されたときには想像していなかっただろう事態の今、これを見ると余計な事が色々浮かんでしまう。
今や節電、節電とみんなが口にしているが、いったい誰のための節電なのだろう。電力に限界が来て停電になったとしても、この映画みたいに停電だからこそ起こる出来事もあるわけだし。それに、ブレーカーが落ちたら家庭内を見回して不要な電気を使用していないか点検するように、停電させてから各自が点検して学んでいく、というのでもいいのではとも思うのだが。そのほうが日本の電力政策についてそれぞれが考えるのではないだろうか。
電力がなくなるかもしれないと必要以上に我慢したりするのは精神的に良くない。それよりはこれ以上使っちゃ駄目、というレベルをそれぞれが知ることのほうが大事なような気がする。
大企業は休日をずらして社会貢献しています、という顔しているが、その裏では週七日営業せざるを得ない中小企業もあるわけで。週５日より週７日仕事をしたほうがそりゃ捗るが、それで味を占められていつの間にかそれが普通になっていたりしたら、ますます生活は息苦しくなる。エコ運動にも通じるものがあるが、震災や電力不足を各自の色々な思惑に利用するのは勘弁してもらいたい。
などと考えてあんまり集中できずに見た訳だが、映像が美しくそれだけで心地よく観ていられた。たくさんの登場人物の関係を頭の中で整理しなくてはいけないのが大変だったが、訳が分からなくなるほどこんがらかってはいない。ただ、あれだけ色々な物語が展開されたのにそんな終わり方？というエンディングだったが。
スタッフ／キャスト
監督／脚本 源孝志＊
＊脚本はカリュアード名義
脚本 相沢友子＊
＊カリュアード名義
出演 豊川悦司／田口トモロヲ／原田知世／吉川晃司／寺島しのぶ／井川遥／阿部力／本郷奏多／香椎由宇／田畑智子／品川徹／淡島千景／宇津井健／田口浩正／鈴木砂羽／マギー
音楽 菊地成孔
撮影 永田鉄男
