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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「小説家を見つけたら」 2000

小説家を見つけたら (字幕版)

★★★★☆

 

監督 ガス・ヴァン・サント

 

 黒人街にすむ少年がふとした事から知り合った伝説の小説家と交流を持つこととなる。

 

 サリンジャーみたいにほぼ一冊だけで名声を得てその後は姿を消してしまった小説家にはその実績とその謎めいた暮らしぶりにとても興味がそそられる。もしかしたらあまりにも評価されすぎてプレッシャーで次作が書けなかったのかもしれないし、自分の思いとは別の形で評価されてしまって世の中が嫌になってしまったのかもしれないし、何もしないでも十分な収入を得られることに満足してしまったのかもしれない。実際はどうだったんだろう。世間に顔を出さないことからも世の中が嫌になってしまったって考えるのが自然なのかもしれない。

 

 この映画の中の小説家もその一人。しかし、ふとした事から知り合った黒人少年と交流を持つようになる。文学に興味のある少年は彼から多くを学ぶ。そして、小説家も彼との交流で次第に頑なだった心が開かれていく。こういった老人と若者の交流は心が温まる。多くの経験をしている老人はそこから得た知識を伝え、逆に若者からはその若さからくる好奇心や野心に触発されていつの間にか失っていたものを蘇らせる。見事にギブアンドテイク。でもそれにはきっと若者は若者らしく、老人は老人らしくいないと難しいんだろうな、と思う。妙に訳知り顔の若者と若者を自分を脅かすものと見ている老人じゃ成立しない。役割をこなすことが大事。

 

 物語はなんとなく想像のつく展開となったが心温まるいい作品だった。

 

出演 ショーン・コネリー / ロブ・ブラウン / F・マーリー・エイブラハム / アンナ・パキン

 

 

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