★★★★☆
あらすじ
大気汚染から逃れて安全に管理された施設で暮らす男が、その閉ざされた世界に疑問を抱くようになる。
感想
近未来もので「ブレードランナー」を思わせるような雰囲気の映画。クローンの問題を扱ったこの映画は、作るのがちょっと遅かった。クローンの羊が作られ、世間に倫理的な議論が起こった頃に作っていたら、タイムリーでもっとヒットしていたかもしれない。
正直、クローンについては個人的によく分かっていない。遺伝子的に全く同じということはどういう事なのだろうか。姿かたちも後天的に変化するものであるし、全く同じということはあるのだろうかとか、あの羊のドリーは誕生した日が違うはずなのになんで体の大きさが同じなのか、成長の度合いが早いのかとか。よく分からないことだらけだ。
大量生産の商品のように人間も作ってしまうことが倫理的にヤバいということは直感的にわかる。これは本能的なものだ。ましてやこの映画のようにものを考え、感情を持つクローンから必要な部分だけ取って殺してしまうということは、普通の殺人と何が違うのだろうと思ってしまう。
でも、移植のための臓器を取るためにクローンの人間を作るからひどいと思ってしまうのであって、臓器だけをクローンで作るのだったらそんなに抵抗感がないような気がする。でも、考えれば考えるほどよく分からなくなって、科学は相当奥深い領域まで踏み込んでしまっているのだなと実感する。
ラストは隔離された施設からクローンたちを解き放つわけだが、これはハッピーエンドなのだろうかと複雑な気持ちになった。
スタッフ/キャスト
監督/製作 マイケル・ベイ
脚本 カスピアン・トレッドウェル=オーウェン/アレックス・カーツマン/ロベルト・オーチー
出演
スカーレット・ヨハンソン/ジャイモン・フンスー/ショーン・ビーン/スティーブ・ブシェミ/マイケル・クラーク・ダンカン/イーサン・フィリップス/ブライアン・ステパニック/グレン・モーシャワー/ゲイリー・ニケンズ