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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「おろしや国酔夢譚」 1992

おろしや国酔夢譚

★★★☆☆

 

監督

bookcites.hatenadiary.com

 

 鎖国中の江戸時代、漂流してはるかロシアの僻地にたどりついた船乗りたち。

 

 壮絶な漂流を経てようやくたどり着いたのは異国の地。異国の人間たちとうまくやっていくために彼らがまず取り組んだのは言葉の習得だった。彼らの語学習得力が凄い。人間、必死になれば何とかなってしまうものだなと感心する。赤ちゃんだって必要に迫られて言葉を覚えるわけだから。

 

 そして彼らの望郷の念の凄まじさ。そんな気もなく日本を離れてしまい、帰りたくても帰れない状況になってしまったからそうなるのだろう。帰国の訴えの回答を待ちきれずに極寒のユーラシア大陸をほぼ横断してしまうくらい。直で日本に戻った方が全然近いくらいの距離。

 

 だけどなかなか帰国が難しい状況だとわかってくると彼らに心境の変化が訪れる。帰国をあきらめこの地で生きていこうと決意するも者、それでも故郷に戻ることを諦められない者。状況が長引くと何でもそうなる。一つにまとまっていた皆の心も次第にまとまりを欠いていく。

 

 帰国の願いが叶い日本の地を目の前にして鎖国を理由に母国に拒否された時の彼らの気持ちはどんなものだったのだろう。絶望としか言いようが無い。遂に日本の地を踏みしめた途端に息絶えてしまう気持ちもわかる。

 

 映画どうこうというよりも大黒屋光太夫の数奇な運命に彩られた人生が凄い。そして一介の船乗りに過ぎない男が異国で敬意をもって接してもらえるほど日本の民度が高かったことにも感心する。

 

原作

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-31)

おろしや国酔夢譚 (文春文庫 い 2-31)

 

 

出演 緒方拳 / オレグ・ヤンコフスキー / 川谷拓三 / 西田敏行 / マリナ・ヴラディ

 

おろしや国酔夢譚

おろしや国酔夢譚

 

 

登場する人物

大黒屋光太夫

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