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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「女生徒」 1939

女生徒 (角川文庫)

★★★☆☆

 

著者

bookcites.hatenadiary.com

 

 女生徒の一日の心の中。

 

 朝起きてから寝るまでの女生徒の一日の心情が延々と綴られていて面白い。その間、彼女の頭の中では様々な事が浮かんでは消えていく。

 

 母親を憎らしく思ったり、逆に大切に思ったり矛盾した思いが交互に現れたり、思いを巡らしているうちに勝手に悲しくなってしまったり、誰でもそうなのだが特に多感な年代にいる少女の特徴のようなものが良く伝わってくる。

 

 自己嫌悪に陥ったり、世の中が憎らしく思えたり。妙に悲観的になったり、壮大な事を考えてしまったり。外から見ていればそんな思いが彼女の心を巡っているなんて誰にもわからない。だから急に涙を見せたり、不機嫌になってしまったように見えてしまう。何とも扱いにくい年代だ。

 

女生徒

女生徒