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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「日の名残り」 1993

日の名残り (字幕版)

★★★★☆

 

監督 ジェームズ・アイヴォリー

 

 長年仕えた主人が亡くなり新たな主人を迎えた執事が人手不足を解消するため、かつての女中頭に会いに行く。

 

 執事って職業がいまいちピンと来ない。当然奴隷ではないが、主人の要求に従わなければならない。しかも言葉遣いも気品があって、教養もなければならい。こんな職業につきたいって思う人はいるのかなって不思議な気分になる。だけど、実際は自由時間もありそうだし、休みも取れるしそこまで待遇は悪くなさそうだ。

 

 アンソニー・ホプキンスの執事役が見事だ。年老いた父親や女中頭との関係など心を悩ましながらも、自分の務めを果たすことを第一に考えている。だけど、心の中を隠しきれずに小さな動揺が時々表情や行動に表れる。その姿を見るたびに観ている側の心を揺すぶる。

 

 結果的に第2次世界大戦の勃発に加担させてしまった理想主義の主人に対する世間の評判を知りつつ、そんな主人に忠誠を尽くした誇りを失いたくない執事の戸惑っている様子が痛々しい。だけど善意だからと自分の行動に疑いを持たない人たちは本当に他人に迷惑をかける。客が執事を呼び止めて質問し、彼の無知をあざ笑うシーンなんて彼らは何の罪悪感も感じていないのだろうな。バカな民衆のために頭の良い俺たちが社会を良くしてやろうという善意が彼らに満ちている。

 

 女中頭との再会にも自分の思っていたような結果を得ることが出来ず、自分の気持ちを伝えることも抑えて、屋敷に戻った執事。自分の心を揺さぶって去っていった人たちに思いを馳せながらも、自らの仕事を続けていく。こういう生き方もあるんだな。

 

原作

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

日の名残り (ハヤカワepi文庫)

 

 

製作 マイク・ニコルズ

 

出演

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ジェイムズ・フォックス / クリストファー・リーヴ

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日の名残り (字幕版)

日の名残り (字幕版)

 

日の名残り (映画) - Wikipedia

 

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