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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「タモリ論」 2013

タモリ論(新潮新書)

★★★★☆

 

内容

 小説「さらば雑司ヶ谷」でタモリを熱く語った著者のタモリ論。

 

感想

 タモリ論と言いながら、ただ著者のタモリへの思いを語った一冊。もっと言えばタモリだけでなくたけしやさんまといったテレビに影響を与え続ける巨人たちへの思い。

 

 日本人なら当たり前のように思っているテレビで彼らを見ることだが、よく考えるとかなりすごい事だ。今じゃ数年活躍していつの間にかあまり見ることのなくなってしまう芸能人たちばかりなのに、彼らは物心ついた頃からいつもいる。そしてそれが普通の事になってしまっている。他の国ではそんな事があるのだろうか。

 

 

 そんな中でタモリは結構特殊な存在だ。平日の昼の12時という時間帯で生放送の司会を30年以上務めている。普通に生活している人ならそんなに見られるチャンスがない時間帯のはずなのに、なぜかみんなそれを知っていてそれなりの思い出も持っている。この本を読んでいると、自分も自分と彼らの思い出のようなものを思い起こそうとしてしまう。

 

 最近の笑っていいともは視聴率も悪く、終了の噂も流れる存在となってしまっているようだ。よく考えたら自分もここ数年見てないなと気づいた。番組のスタイルもだいぶ変わっているようだ。12時ちょうどにタモリの歌で番組がスタートするという方式ももう無い。

 

 これについては、この方式を辞めさせたのは武田真治だと自分で勝手に思っている。テレフォンショッキングでゲストに登場した彼が「自分が司会する番組を自分の歌で始める番組って珍しいですね」と話していた。それを聞いていたタモリがハッとした様な顔をしていたのが印象的だった。そして少し恥ずかしそうな様子になっていた。それからしばらくしてあのオープニングはなくなってしまったと聞いた。きっとタモリは自分がやっていることが色々嫌になっているのだろうなと思った。

 

 最近はテレビ自体も苦境が伝えられている。思えばタモリやたけしやさんまといった大物たちの後継者と期待されポストビッグ3だの新世代だのという言葉を物心ついたころから聞いてきたような気がする。けど結局彼らを超える存在は登場せず、彼らの終わりがテレビの終わりなのかもしれないな、とそんなことを考えた。 

 

著者

bookcites.hatenadiary.com

 

 

 

登場する作品

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パレード (幻冬舎文庫)

 

 

登場する人物

タモリ / ビートたけし / 明石家さんま

 

 

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