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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「苦役列車」 2012

苦役列車

★★★★☆

 

あらすじ

 一家離散し、中学卒業後は日雇いで日々を暮らす男が、仕事先で同年代の男に話しかけられ仲良くなる。

 

 主人公の、人との距離感をうまく取れない感じが切ない。中卒というコンプレックスがあるし、父親が性犯罪者だという負い目もあり、どうせろくな人間になれないと自暴自棄気味になっている。

 

 

 そしてこの年頃の人間にとって、孤独に暮らすということは、社会性を身につける大きな弊害となってしまうのかもしれない。己の欲望を素直に口に出すことは良くないことだとか、他者との距離感の図り方など、本来はこの年頃に仲間との付き合いの中で覚えていくものだ。

 

 不幸な環境にいた主人公にはそれがなかった。主人公が自分の一人称を「ぼく」と言うのにそれが現れているのかもしれない。こういうキャラクターは「おれ」とか使いそうなものなのに、幼稚さとともに、どこか歪なものを感じる。

 

 青春映画にありがちな海で戯れるシーンもあるが、キラキラ輝いた海などではなく、どんよりとした海で戯れる所が、主人公の境遇を表しているようにも感じられた。

 

 彼ほど露骨ではないが、皆彼と同じ部分を持っている。なので、どこかで彼に共感してしまっている自分がいる。

 

スタッフ/キャスト

監督

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脚本 いまおかしんじ

 

原作

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出演 森山未來/高良健吾/前田敦子/マキタスポーツ/田口トモロヲ/佐藤宏/中村昌也

 

音楽 SHINCO

 

苦役列車

苦役列車

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

苦役列車 - Wikipedia

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