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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「ミュンヘン」 2005

ミュンヘン Munich (字幕版)

★★★★☆

 

 ミュンヘンオリンピック事件で自国選手を殺害されたイスラエルは、報復としてテロの首謀者たちを暗殺するチームを組織する。

 

 ミュンヘンオリンピック事件自体を描くのかと思っていたら、その後を描く映画だった。しかし、11人の暗殺を描くって、あんまり楽しい映画になりそうもないなって思っていたらその通りだった。

 

 ただ考えてみれば、暗殺って戦争よりは効率が良いのかもしれない。うまくやれば相手の組織は弱体化するし、味方の人間が大量に死ぬこともないし、巻き添えとなる民間人も少なくなる。ただ、それを実行する人間からしたら結構きつい。戦場のような相手が敵意むき出しで向かってくる状況ではなく、家族や友人と幸せに過ごす日常を目の当りするわけで、この映画のように思想や信条を別にしたら、悪い人じゃないという印象を持ってしまう可能性もある。何より暗殺ってイメージが暗い。

 

 映画はそんな感じで、時間とともに段々と暗鬱とした様相を呈してくる。その中で時々挿入されるポップミュージックが、束の間の安らぎを与えてくれる。特に一時的に隠れ家に同居することになってしまった敵とのラジオの選局争いで、アル・グリーンの「Let's stay together」で互いに納得するのが微笑ましかった。ただその後、さらに暗澹たる状況になってしまうのだが。


Al Green-Lets Stay Together

 

 結局、報復なんて報復を生むだけの泥沼で虚しいだけ、というありきたりの話。そんな誰もが分かるありきたりの話だけど、実際自分の身に起きたら、そんな連鎖を断ち切るために我慢をするなんて、なかなか感情的に難しいんだろうな。刑法的に仇討ちは禁止されているけど、国家間となると報復は認められているというか、理解されてるし。ラストシーンに映った在りし日の世界貿易センタービルが印象的。

 

監督/製作

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原作

標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)

標的(ターゲット)は11人―モサド暗殺チームの記録 (新潮文庫)

 

 

出演 エリック・バナダニエル・クレイグマチュー・カソヴィッツ/キーラン・ハインズ

 

ミュンヘン (映画) - Wikipedia

 

 

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