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「世界のエリートがやっている 最高の休息法」 2016

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 ★★★★☆

 

内容

 グーグルやフェイスブックなど巨大企業が続々と導入している「マインドフルネス」を紹介する。

 

感想

 著者はイェール大学の医学部で先端脳科学を研究し、現在はロスで精神科医としてクリニックを開院している人物。「マインドフルネス」とは簡単に言ってしまえば宗教色を除いた「禅」や「瞑想」みたいなものだが、これを違う経歴の人間に説かれると、きっとまた違う印象を受けてしまうかもしれない。本書では最新の脳科学の研究成果を引用しながら、様々な「休息法」が説明されるので説得力がある。また、イラストを交えたり、物語形式を取り入れるなど読みやすい工夫が施されている。

 

脳の全ての疲れやストレスは、過去や未来から生まれる。すでに終わったことを気に病んでいたり、これから起きることを不安に思っていたり、とにかく心がいまここにない。この状態が慢性化することで心が疲弊していくんじゃ。

 p84

 

 過去や未来に心を馳せて疲労している脳を、瞑想によって心を今ここに集中させることで、余分なエネルギーの消費を抑えることが出来る。そしてそれを習慣化することで脳がそれを記憶し、疲れにくい体になっていく。その他にも瞑想による科学的裏付けのある効能が説かれていく。

 

 瞑想の方法も説明されていて、実際にやってみるが正直の所、それがうまくできているかどうかが良く分からない。その効果が見えづらいのが難しいところで、怪しく感じてしまう所でもあるんだろうなと思う。

 

 

 体重計のように簡単に数値化出来るような器具が開発されると良いのだが。そういったものがないと、これを企業などの集団が取り入れたとしても、「マインドフルネスが足りないから駄目なんだ」と精神論的な事を言い出す馬鹿な集団が出てきそうな気もする。グーグルなどではどのように取り組んでいるのかにも興味が出てきた。

 

 禅や祈りなど、昔から行われてきた事を非合理的だと相手にしなかった人たちが、科学的に証明された事で、こぞって取り入れだすというのも面白い。非科学的なのではなく、まだ科学で解明できなかったというだけの事だった。そう考えると、アフリカの怪しげな呪術や、今は医学的根拠はないと見做されている民間療法を、アメリカのエリートたちが普通に取り入れている未来が訪れることもあり得るような気がしてきた。

 

著者

久賀谷亮

 

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

世界のエリートがやっている 最高の休息法――「脳科学×瞑想」で集中力が高まる

 

 

 

登場する作品

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「Fire」 Judy Sorum Brown

Headspace: Guided Meditation & Mindfulness - Google Play の Android アプリ

 

 

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