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「友情・初恋」 1920

友情;初恋 (集英社文庫)

★★★★☆

 

あらすじ

 ある女への恋心を友人へ打ち明けた男。

 

感想

 主人公の、女からの嫌われように同情してしまう。ただ、主人公目線で見ればひどい女に思えてしまうが、彼女目線から見れば傍迷惑に感じてちょっと強めに表現せざるを得ないところがあるのかもしれない。そして友人のどこまでも主人公を立てようとする姿は感動的でもあったのだが。

 

 とはいえ、この友人の決断は誰にも責められない。誰もが不幸になる決断もあり得たわけだから、勇気はいるが良い決断であったといえる。もっと早く打ち明けたほうが良かったのだろうが、気まずくて言い出せなかったというのは理解できる。友人の決断を知った主人公が、怒りながらもそれでも潔く新たな決意を固める姿には爽やかな印象が残る。

 

 

 それから、この頃の若者の志の高さに驚かされる。普通に世界を相手にしようとしている。時代的なものもあるのだろうが、それを誰も冷ややかに笑わないから、皆が平気でそれを口に出せるのかもしれない。

 

著者

武者小路実篤

 

友情;初恋 (集英社文庫)

友情;初恋 (集英社文庫)

 

友情 (小説) - Wikipedia

 

 

登場する作品

それから

お目出たき人 (新潮文庫)

「ある日の夢」 武者小路実篤

「Aと運命」 武者小路実篤

「世間知らず」 武者小路実篤

 

 

この作品が登場する作品

「友情」

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