★★★★☆
あらすじ
ベートーヴェンの遺書に書かれていた「不滅の恋人」を探すため、秘書をしていた男がベートーヴェンと関係のあった女性たちに会いに行く。
感想
ベートーヴェンの生涯を、女性関係を中心にして描いている。あまり彼の音楽家としての凄さは描かれていないが、それは今更描く必要もないほど有名でしょう、ということなのか。
そして人間としてもあまり魅力的な部分は描かれていない。ただし耳が聞こえなくなり音楽家として不安を感じていた事や、世間の冷たい視線や冷笑には同情したくなるし、偏屈になっていくのも分かる気がする。
不滅の恋人とは誰だったのかのミステリー部分に関しては面白く、なかなか意外な結末だった。物語のなかで不可解だった部分も、だからかと納得できた。彼の偏屈さの一因には、若い頃のこの出来事もあったのだろうなと感じた。ベートーヴェンが星空の下に横たわる最後の交響曲第9番のシーンは良かった。
ヴェートーベンを演じるゲイリー・オールドマンが、若い頃から晩年まで見事に演じていたと思うが、晩年の容貌が内村光良のコントのキャラクターぽくてちょっと笑ってしまった。ゲイリー・オールドマンとウッチャン、似てなくもない。
この映画の中のセリフ回し役の秘書、アントン・シントラーは、性格に難のあるベートーヴェンを最後まで支え、死後も彼のために遺書にあった恋人を探す献身的な良い人物で感心したのだが、調べてみると実際は、ベートーヴェンの貴重な資料を都合のいいように廃棄したり改ざんしていたらしく、散々な言われようでびっくりした。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 バーナード・ローズ
出演 ゲイリー・オールドマン/ジェローン・クラッベ/イザベラ・ロッセリーニ/ヨハンナ・テア・ステーゲ/マルコ・ホーフシュナイダー/ヴァレリア・ゴリノ/ミリアム・マーゴリーズ/バリー・ハンフリーズ
登場する人物
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン/アントン・シントラー/アンナ・マリー・エアデーディ伯爵夫人/クレメンス・フォン・メッテルニヒ/ジュリエッタ・グイチャルディ