★★★☆☆
あらすじ
震災で家族を失い、親戚の男に引き取られた少女。
感想
流氷から少女が這い上がるシーンから始まる。ここから物語の全貌が掴めるまでが辛かった。浅野忠信はじめキャスト陣が皆ぼそぼそと喋り、雰囲気はあるのだが物語の理解のためには辛かった。
濡れ場が多い映画だが、序盤に大胆に演じる河井青葉がその後の二階堂ふみのための前座感があった。最初に十分見せておけば、たとえ真打ちが物足りなくてもお客さんはそれなりに満足して帰るでしょ、みたいな。とは言え、二階堂ふみもそこまでやるかというくらい、演じてはいたが。
禁断の関係に陥った2人。藤竜也演じる老人にその関係を知られることになったことから事態は転がっていく。しかしこれは場所が雪国だからバレたのかなと思ってしまった。寒いから誰も外を歩いていないので人目がなく、警戒心が緩くなる、2人はますます大胆になる、みたいな。逆に極寒の中で頻繁に出歩いている老人には不気味さすら感じてしまった。
物語は二人の関係を断片的に描きながら進行する。各エピソード自体も断片的に描いていて、全容は観客それぞれに想像させるタイプの映画。
スタッフ/キャスト
監督 熊切和嘉
原作 私の男 (文春文庫)
出演
二階堂ふみ/山田望叶/モロ師岡/高良健吾/藤竜也/河井青葉/三浦誠己/安藤玉恵/竹原ピストル/太賀/相楽樹/康すおん/三浦貴大
音楽 ジム・オルーク