★★★☆☆
京大事件で罷免された教授の娘と、学生運動に参加していた学生たちのその後。
戦後間もないというのに、もう戦時中の反戦運動者を讃え評価するなんて仕事が早いなと思っていたが、どうやら占領中の米軍の意向があったようだ。
戦争が迫り、息苦しくなっていく社会の中で、世の流れにうまく乗って流されていく者、流れに屈することなく自らの信念を貫く者、様々な人生模様がある。同じ学生時代を過ごした者たちも、それぞれが違う道を進んでいく。
そんな時代に自らの生き方を貫こうと世の中に飛び込んでいく、原節子演じる若い女性。小津映画以外で観る原節子は表情豊かで人気女優だったのも理解できる。そして様々に境遇が変わっていく若い女性をうまく演じている。特に終盤の旦那の実家の農家でのシーンはなかなか男前な鬼気迫るものがあった。
それから全く関係ないが、ノーブラなのが気になった。和服のときは下着をつけないとか言うが、洋装でも着けなかったのか。撮影当時もそういう習慣だったのか、時代設定に合わせてあえてそうしているのか、色々気になってしまった。
監督