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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

邦画

「双生児」 1999

★★★★☆ あらすじ 戦争で勲章をもらい、今は医師として働き、美しい妻、両親と共に暮らす男は、ある日、自分そっくりの男に襲われる。 www.youtube.com 感想 登場人物たちに眉毛がなく、女性は変な髪型をしている。物語の舞台となる随所に洋風を取り入れた日本…

「北斎漫画」 1981

★★★★☆ あらすじ 戯作者になることを夢見つつ下駄屋を営む後の滝沢馬琴と、その2階に下宿する絵師としてまだくすぶっている葛飾北斎。 北斎漫画 <全三巻> 第二巻「森羅万象」 (青幻舎ビジュアル文庫シリーズ) 作者:葛飾北斎 青幻舎 Amazon 感想 葛飾北斎と滝…

「浮草物語」 1934

★★★☆☆ あらすじ 旅芸人一座を率いる男は、昔子供を産ませた女がいる町を久々に興行で訪れる。舞台の合間に親子の団欒を楽しんでいたが、現在の内縁の妻にそれがバレて思わぬ問題が起きてしまう。 「喜八もの」第1作。キネマ旬報ベスト・ワン作品。モノクロ・…

「よこがお」 2019

★★★★☆ あらすじ 訪問看護師として働く女は、公私ともに充実した日々を過ごしていたが、自分の甥が訪問先の娘を連れ去る事件を起こしたことからすべてが狂い始める。 www.youtube.com 感想 訪問介護の仕事を献身的にこなし、訪問先の家族とも良好な関係を築い…

「震える舌」 1980

★★☆☆☆ あらすじ 熱を出し、おかしな挙動を見せていた娘が破傷風にかかっていることが判明し、入院させるも悪化していくその病状に疲弊していく夫婦。 破傷風菌 - Wikipedia www.youtube.com 感想 破傷風にかかった娘とその看病で疲弊する両親の姿が描かれる…

「噂の女」 1954

★★★☆☆ あらすじ 京都で女手一つで遊郭を営む女は、東京の大学にやるも恋に破れ、自殺未遂を起こした娘を連れ帰ってくる。 感想 若い医師に思いを寄せる遊郭の女将である主人公と、それを知らず同じように医師に惹かれてしまう家業を疎ましく思う娘の愛憎入り…

「天河伝説殺人事件」 1991

★★★☆☆ あらすじ 能楽の名家の後継者争いに絡む連続殺人事件に遭遇し、興味を持って調べ始めるルポライター・浅見光彦。 名探偵・浅見光彦全短編 作者:内田 康夫 光文社 Amazon 感想 陰影の深い映像に、事件が起きた時のザワザワとする感じ、何か重大なことに…

「日本橋」 1956

★★★☆☆ あらすじ ライバルと張り合い、奪った男に本気で惚れてしまった日本橋の芸者。 感想 負けん気が強い主人公と、彼女にライバル視される人気芸者を中心にして物語は進行する。主人公はライバルから男を奪ったり、ズケズケと嫌味を言ったりしてバチバチや…

「監督・ばんざい!」 2007

★★★☆☆ あらすじ バイオレンス映画はもう作らないと公言してしまい、次回作に悩むキタノ監督は、他ジャンルの映画に色々と挑戦してみようとする。 感想 監督自身が主人公のメタ映画だ。序盤は様々なジャンルの映画がパロディされる。その中では昭和ノスタルジ…

「満員電車」 1957

★★★☆☆ あらすじ 大学を卒業し、人であふれかえる社会で先が見えた会社員生活をスタートさせた男。 感想 満員電車に揺られ、定年までの日々を過ごす会社員生活を皮肉ったブラックコメディだ。冒頭の明治時代から現代までの各時代の大学の卒業式を映し出し、大…

「226」 1989

★★☆☆☆ あらすじ 1936年に起きた「二・二六事件」を描く。 二・二六事件 - Wikipedia 感想 映画開始と共に一気に226事件に突入していく。彼らが次々と要人たちを襲撃する様子は凄まじい。しかし、こういう人たちは何かと天皇の名を持ち出す。直接本人に意…

「雲霧仁左衛門」 1978

★★☆☆☆ あらすじ 大盗賊・雲霧仁左衛門は、仲間を率いて最後の仕事に取り掛かる。160分。 雲霧仁左衛門 - Wikipedia 感想 主人公は江戸時代に実在したと言われる歴史上の人物だ。石川五右衛門みたいなものだろう。だが彼の知名度はどれくらいあるのだろうか。…

「あなたと私の合言葉 さようなら、今日は」 1959

★★★★☆ あらすじ 仕事に夢中で、独り身の父親の老後も気になる女は、親同士が決めた結婚の相手に断りを入れるため、学生時代の友人にその仲介を依頼する。 感想 冒頭の主人公と友人の電話のやり取りが代表的だったが、劇中のセリフ回しに独特のリズムがあって…

「文学賞殺人事件 大いなる助走」 1989

★★★☆☆ あらすじ 地方の文学同人誌に書いた初めての小説が著名な文学賞候補になった男は、受賞を確実なものにするために奔走する。 感想 文学界の欺瞞や草の根で文学活動をする人々の生態を描く物語だ。地方同人誌で活動する人びとが、仲間内でけん制し合い、…

「私は二歳」 1962

★★★☆☆ あらすじ 団地に住む平凡な夫婦の間に生まれた赤ちゃんが2歳になるまでの日々。キネマ旬報ベスト・ワン作品。 感想 生まれたばかりの赤ん坊の独白で物語が始まる。そのままこの赤ちゃんの目線で描かれていくのかと思ったがそういうわけでもなく、以降…

「神戸国際ギャング」 1975

★★☆☆☆ あらすじ 戦後まもなく進駐軍や華僑、朝鮮系のギャングを相手に神戸で一大勢力を築いた男は、抗争の中で一人の部下と対立するようになる。 感想 まず何と言ってもボスと対立する子分を演じる菅原文太のギラギラぶりがすごい。一人だけ明らかにヤバそう…

「二十才の微熱」 1993

★★★★☆ あらすじ 夜はゲイバーで働く大学生。 感想 仕事も他人との付き合いも淡々として冷めた大学生が主人公だ。そんな彼が、大学の先輩の女性や仕事の後輩と交流する中で少しずつ変化していく。多少特殊ではあるが、青春映画の一種と言える。 とりあえずは…

「女経」 1960

★★★★☆ 内容 三人の監督がそれぞれ、金に執着する女を描くオムニバス映画。 感想 タイトルの「女経」がどんな意味なのかよく分からなかったのだが、ただ女たちに関する話くらいの意味なのか、それとも女の経典のような仏教的な意味合いが込められているのだろ…

「東京日和」 1997

★★★★☆ あらすじ 死んだ妻との思い出を振り返る写真家の男。 感想 夫婦の想い出が綴られる映画だ。つかみどころのない部分がある妻と、それに翻弄されて時に苛立ち、時に戸惑う主人公の様子が描かれている。 そんな二人の関係は、他人から見れば面倒くさいな…

「かげろう絵図」 1959

★★★☆☆ あらすじ 大御所・徳川家斉の相談役としての立場を利用し、自身のひ孫を将軍世継ぎにすることを企む中野清茂とそれに阻止しようとする勢力との争いに巻き込まれてしまった下町の武術の師匠。 感想 序盤は物語の背景となる将軍と大御所の関係や、大奥の…

「狂った野獣」 1976

★★★☆☆ あらすじ 銀行強盗に失敗し逃走中だった犯人に走行中のバスが乗っ取られ、混乱する車内。 www.youtube.com 感想 乗っ取られ暴走するバスが舞台となるアクション映画だ。まず犯人たちが銀行強盗に失敗するシーンから始まるが、拳銃を持っている彼らに警…

「サニー/32」 2018

★☆☆☆☆ あらすじ 小学生の時に同級生を殺害し、ネットで人気者となった女として、熱狂的なファンに拉致された女教師。 www.youtube.com 2004年に起きた「佐世保小6女児同級生殺害事件」に着想を得た作品。 佐世保小6女児同級生殺害事件 - Wikipedia 感想 主人…

「日本侠客伝 関東篇」 1965

★★★★☆ あらすじ 船に乗り遅れて築地市場で働き始めた機関士の男は、市場がヤクザ勢力に乗っ取られそうになっていることを知る。 www.youtube.com 「日本侠客伝」シリーズ第3作。 感想 関東大震災後、日本橋から築地に移転した魚市場が舞台だ。震災と移転の…

「警察日記」 1955

★★★★☆ あらすじ 福島・磐梯山麓の小さな町にある警察署の日常。 感想 田舎町の警察署で日々起こるドラマが描かれる。冒頭の結婚式に向かうおじさんが、目出たいからとバスを運転するドライバーに酒を勧めるシーンに驚かされ、そしてそれを飲んでしまうドライ…

「新・悪名」 1962

★★★★☆ あらすじ 終戦後、大阪に戻った主人公は闇市で商売を始め、裏で取り仕切る組織の陰謀を阻止しようとする。シリーズ第三作。 感想 前作で弟分の相棒が死んでしまったのに続編をやるというので、タイトル的にもてっきりリブート作で、何事もなかったかの…

「日本女侠伝 真赤な度胸花」 1970

★★★☆☆ あらすじ 北海道の開拓地で、進出してきたヤクザに抵抗していた牧場主らのリーダーが殺され、後任として九州からその娘がやって来る。 www.youtube.com 「日本女侠伝」シリーズ第2作。 感想 北海道の広大な大自然の中で繰り広げられる開拓者たちの戦い…

「引っ越し大名!」 2019

★★☆☆☆ あらすじ 亡くなった前任者に代わり、姫路から豊後日田への引っ越し奉行を任されてしまって困惑する松平家書庫番の男。 感想 江戸時代の大名の国替えに伴う引っ越しの様子が描かれる。だが最初にじっくり描いただけで、その後はあやふやで曖昧な感じの…

「続悪名」 1961

★★★☆☆ あらすじ ヤクザな稼業から足を洗い、妻と共にカタギとして生きていこうとしていた主人公だが、とある親分に見込まれて組を任されてしまう。シリーズ第2作。 感想 前作から一年も経たずに作られた続編で、内容も前作を踏まえたものになっている。正直…

「座頭市血煙り街道」 1967

★★★★☆ あらすじ 相部屋となった亡くなる直前の女に、子供を父親のもとに送り届けて欲しいと頼まれた座頭市。シリーズ第16作。 感想 子供を送り届ける主人公が、道中で出会った旅役者の一座と同行する序盤のシーンで、唐突に中尾ミエ演じる旅役者が歌い出し、…

「ザ・ファブル」 2019

★★★★☆ あらすじ 休養のために、人を殺さず普通の人として暮らすことをボスに命じられた伝説の殺し屋。 www.youtube.com 感想 ボスに殺しを禁じられた伝説の殺し屋の主人公が、ヤクザの抗争に巻き込まれていく。ただ東京からやって来た主人公が、大阪の住居を…