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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「まほろ駅前狂騒曲」 2014

まほろ駅前狂騒曲

★★★☆☆

 

あらすじ

 しばらく子供を預かってほしいという依頼を引き受けることになった便利屋。

 

感想

 すっかり前作の内容を忘れているので、本上まなみと松田龍平、二人が演じる役柄の間に何があったのかとか、その他の登場人物たちについて等々、全く覚えていない。だがあまり内容には影響がなかったようだ。

 

 この映画ではなんと言っても、松田龍平の存在が大きい。何もしないでただ突っ立っているだけでも存在感がある。ぼそっとつぶやいたり、時々面白いことを言ったり、笑ったり怒ったり、彼の一挙手一投足に引き込まれてしまう。

 

 

 物語は便利屋の仕事というよりも、瑛太と松田龍平、二人のコンビを中心にして、預かった子供も交えた3者の関係性のようなものを描いている。なので割と豪華なその他の役者陣がちょこっと出ては仕事をするといった感じで、全体としては大したことが何もなかったという印象になってしまっている。多分意図していないだろうが、バスジャックに対する警察の行き当たりばったりな杜撰な対応がリアリティがあって笑ってしまった。

 

 後日譚が長いのがイラッとした。日本映画は上映時間が2時間越えないといけないルールでもあるのかと疑いたくなる。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 大森立嗣

 

原作 まほろ駅前狂騒曲 (文春文庫)

 

出演 瑛太/松田龍平/高良健吾/真木よう子/麿赤兒/本上まなみ/奈良岡朋子/新井浩文/古川雄輝/戌井昭人/安藤なつ/伊佐山ひろ子/市川実和子/松尾スズキ/大森南朋/岸部一徳/永瀬正敏

 

音楽 岸田繁(くるり)

 

まほろ駅前狂騒曲

まほろ駅前狂騒曲

 

まほろ駅前多田便利軒 - Wikipedia

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関連する作品

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「彼が二度愛したS」 2008

彼が二度愛したS (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 深夜まで弁護士事務所でひとり、会計監査を行っていた男は、そこで働く弁護士の男に話しかけられ仲良くなる。

 

感想

 ヒュー・ジャックマンが自ら製作も行っているだけあって、自らの演技力を遺憾なく発揮できるような役柄になっている。自信にあふれるエリートサラリーマンとその正体の詐欺師の雰囲気の落差が大きく、見事に演じ分けている。ただ少し単純すぎるというか、正体をばらした相手にだけ本性を見せればいいのに、いったん正体をばらしてしまったら、誰に対しても本性をさらけ出している所に描き方の甘さを感じてしまうが。

 

 ユアン・マクレガーはどこか抜けているような洗練されていない男ばかり演じているような気がする。たしかにしっくり来ているが、そんな彼に女性はほっとけないような母性本能をくすぐられるのだろうか。

 

 

 一通り物語が進行して、これで終わりなのかな、みたいな後日譚のようなものが始まるのだが、それが異常に長いのでああ、これは大どんでん返しがあるんだな、とバレバレ。そうするつもりならエンディングっぽい雰囲気から大どんでん返しまではテンポ良く描かないと。

 

 その大どんでん返しも、え、それだけ?、みたいな杜撰で詰めが甘すぎるもので、全然すっきりしない。出し抜いてやった感はなく、何とかなって良かったという安堵感しかなかった。まぁその手のプロでもない会計士の、しかもどこか抜けているユアン・マクレガーにしてはよくやったほうなのかもしれないのだが。

 

スタッフ/キャスト

監督 マーセル・ランゲネッガー

 

製作/出演 ヒュー・ジャックマン

 

出演

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ミシェル・ウィリアムズ/ リサ・ゲイ・ハミルトン/マギー・Q/シャーロット・ランプリング/ナターシャ・ヘンストリッジ

 

彼が二度愛したS (字幕版)

彼が二度愛したS (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

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「長州ファイブ」 2006

長州ファイブ

★★★☆☆

 

あらすじ

 幕末に藩命により密かにイギリスに渡った長州五傑(井上馨・遠藤謹助・山尾庸三・伊藤博文・井上勝)の現地での様子を描く。

長州五傑 - Wikipedia

 

感想

 長州ファイブといいながら割と早い段階で長州スリーとなり、ツーとなり、あっという間にワンになってしまった。五人をすべて丁寧に描くのは時間的に厳しいから仕方がないが、全員をそれなりに描こうとしたせいで皆が中途半端になってしまった。最初から一人に絞って丁寧に描けばよかったのにとも思わなくもないが、皆偉人なのでそれはそれで文句が出そうだ。

 

 最終的には松田龍平演じる山尾庸三を描いていくことになるのだが、5人のうち3人は、途中で日本に帰国している。一人は病気、後の二人は長州藩の行く末を案じてであるが、藩のために帰った二人が井上馨、伊藤博文というのがなかなか興味深い。のちに二人は政治家となるわけだが、やはり政治家というものは機を見て動ける人間じゃないと務まらないのかもしれない。そして世情に流されず初志貫徹のために残った二人は、技術者や教育者タイプだったということか。

 

 

 それなりには面白かったのだが、異国の地へ来て戸惑いながらも馴染んでいく姿だとか、地元の人々との心の交流をする姿だとか、もうちょっとちゃんと描いて欲しかった。必死に学んでいることぐらいしか伝わってこず、主人公にあまり人間味を感じられなかった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 五十嵐匠

 

出演 松田龍平/山下徹大/北村有起哉/三浦アキフミ/前田倫良/寺島進/原田大二郎/泉谷しげる/榎木孝明/矢島健一/康すおん

 

長州ファイブ

長州ファイブ

 

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「サイド・エフェクト」 2013

サイド・エフェクト (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 処方した新薬の副作用で担当する患者が殺人事件を起こし、社会的信用を失ってしまった精神科医。

 

感想

 医薬品業界の闇を描いていく展開になっていくのかと思ったが、物語はサスペンス的な方向へと展開していった。とはいえ、医薬品業界の闇がキーとなっている。この業界は当たれば儲けが半端ないだけにやることがえげつない。開発した新薬の効果を宣伝するためやデータ採集のために、大金で医者を抱え込んでいる。

 

 このような業界の攻勢を上手くイナしながら、適切な医療を行っていかなければいけない医者も大変だ。しかし、薬の副作用で患者が事件を起こしたら、医者が悪者扱いされるというのもなかなかつらいものがある。適切な薬を処方しなかったということになるのかもしれないが、そもそも殺人事件を起こすような副作用のある薬を認可するなよ、と思ってしまった。

 

 

 あまり突っ込みどころのないスキのない映画ではあるが、肝心の事件を起こした容疑者の女の明らかになった真実がいまいちしっくりこなかった。さすがに終始演じ続けるのは無理なのではないだろうか。もし本当に完全に周囲を騙すことが出来ていたのなら、もうそれは演技ではないような気がする。「詐病という病気」と映画の中でも言ってはいるが。

 

スタッフ/キャスト 

監督/撮影/編集

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脚本/製作 スコット・Z・バーンズ

 

製作 ロレンツォ・ディ・ボナヴェンチュラ/グレゴリー・ジェイコブズ

 

出演

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ルーニー・マーラ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/チャニング・テイタム/ヴィネッサ・ショウ/メイミー・ガマー/アン・ダウド/ポリー・ドレイパー/デヴィッド・コスタビル

 

音楽 トーマス・ニューマン

 

サイド・エフェクト (字幕版)

サイド・エフェクト (字幕版)

 

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「金融腐蝕列島〔呪縛〕」 1999

金融腐蝕列島呪縛

★★★☆☆

 

あらすじ

 総会屋への不正融資疑惑に対して危機感を募らせる中堅社員と、反応の鈍い上層部。

 

感想

 事態を理解できずにその場しのぎの対応をして右往左往する幹部たち、責任を他人に押し付けてなんとか居座ろうとする重鎮、自らのメンツのためならあらゆる手段も辞さない検察、民間と癒着し便宜を図ろうとする官僚や政治家。そんな中で危機を乗り越えようと死に物狂いになっているのは、何の地位も責任もない中堅社員だけ。まるで日本の駄目な部分の縮図を見ているようで気分が悪くなる。この映画から20年ほど経っているが今でも普通に目にする光景だ。

 

 しかし責任を負うはずの首脳陣がまともな対応ができないという日本の構造的な問題は何とかならないものか。平時は偉そうにふんぞり返って、いざ非常事態が起きるとオロオロするばかりでは何の意味もない。できることといえば部下になんとかしろと怒鳴るくらい、というのが情けない。そしてこんな時にいつも頑張るのは有志の社員。熱い映画に仕上がってはいるが、正直この全然組織じゃない感のせいで逆に腹が立ってくる。

 

 

 物語の細かいディテールまでは理解できなかったが、金融の一大スキャンダルにざわついている感じがよくでている映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 原田眞人

 

脚本/出演 高杉良

 

出演 

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仲代達矢/椎名桔平/風吹ジュン/若村麻由美/佐藤慶/根津甚八/矢島健一/中村育二/石橋蓮司/遠藤憲一/本田博太郎/多岐川裕美/梅野泰靖/木下ほうか/田口トモロヲ/村上淳/本宮泰風/佐高信/原田遊人/三浦春馬

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音楽 川崎真弘

 

金融腐蝕列島呪縛

金融腐蝕列島呪縛

 

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「バイオハザードIII」 2007

バイオハザード3 (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 地球上に拡散してしまったゾンビから逃れ、安住の地を求める人々。

 

感想

 荒廃する社会、弱肉強食の論理、疾走する武装した車たち、とどこか世界観がマッドマックス的にもなってきた今回。ある意味、終末感の一つの完成形なのかもしれない。

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 そして今回も相変わらず美しく、セクシーなミラ・ジョボヴィッチ。この映画における彼女の存在感の大きさを感じさせるが、ただ今回は物足りなくもあった。前作までは彼女の強さが圧倒的すぎて笑ってしまう部分があったのだが、今回はそこまででもなく、逆にそれを求めている自分がいた。

 

 なんとなく今回は、特に目的がない物語という印象。生きようが死のうが誰からも関心を持たれない人々が彷徨う姿を描いている。本当なら、そんな人々が世界の中心にいる人達に一矢報いてくれると少しは気が晴れるのだが、彼らからヘリを奪っても全く気にも留められず、最後まで無視された存在というのが切なかった。

 

 

スタッフ/キャスト

監督 ラッセル・マルケイ

 

脚本/製作 ポール・W・S・アンダーソン

 

製作 ベルント・アイヒンガー/サミュエル・ハディダ/ロバート・クルツァー/ジェレミー・ボルト

 

出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/オデッド・フェール/アリ・ラーター/イアン・グレン/スペンサー・ロック/マイク・エップス/アシャンティ/クリストファー・イーガン/リンデン・アシュビー/イアン・グレン/マシュー・マースデン/ジェイソン・オマラ/マデリン・キャロル

 

バイオハザード3 (字幕版)

バイオハザード3 (字幕版)

 

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「ヘルタースケルター」 2012

ヘルタースケルター

 ★★☆☆☆

 

あらすじ

 全身整形してモデルとして人気となり、女優、タレントとしても活躍を始めた女。

 

感想

 全身整形をしたことを抜きにすれば、若い女がモデルとして人気となり世間の注目を一身に集めるが、やがて歳をとり世間の注目が別の若い女性に移って、焦りや孤独を感じ始める、というよくある話。

 

 そんなよくある話を、写真家でもある監督が強烈で独特な映像表現を交えて展開していくのだが、多分やりたい映像表現が多すぎで無駄に長くなってしまっている。この内容を一時間半ぐらいにまとめてくれたらそんなに悪くないのだが、2時間を越えてくると、だいたい物語は見えているのでまだ終わらないの?と、途中で何回も思ってしまった。

 

 

 一人の女性を持ち上げるだけ持ち上げておいて、飽きたら別の対象に乗り換えたり、プライベートな出来事を暴いて急に叩きはじめたり、世間はなかなかに残酷だが、この映画で一番残酷なのは、誰がブス役に適任かを選考しているときの監督のような気がする。

 

スタッフ/キャスト

監督 蜷川実花

 

原作 ヘルタースケルター (Feelコミックス)

 

出演 沢尻エリカ/大森南朋/寺島しのぶ/水原希子/新井浩文/原田美枝子/桃井かおり/綾野剛/鈴木杏/寺島進/哀川翔/窪塚洋介/MEGUMI/平愛梨/斎藤工/古坂大魔王/石橋杏奈

 

ヘルタースケルター

ヘルタースケルター

 

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「アウェイク」 2007

アウェイク (字幕版)

★★★☆☆

 

あらすじ

 母親の反対を押し切って結婚した夜に、ドナーが現れ心臓移植手術をすることになった富豪の男。

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感想

 全身麻酔の手術に対して変なトラウマが生まれてしまいそうな映画だ。主人公は、全身麻酔をかけたのに意識は目覚めたままの術中覚醒の状態で手術をうけることになってしまう。意識があるのに手術が始まろうとしてパニックになったり、メスで切開される激痛に心の中で絶叫したりと、なかなかの恐怖体験となっている。これが延々続いたらちょっと耐えられないな、と思っていたのだが、やがて医師たちの怪しい言動などから彼らの企みが明るみになり、別の意味でパニックになるという展開だ。

 

 なかなか面白いアイデアだと思うが、この展開が正解なのか、難しいところだ。せっかく主人公が手術中に真実を知ったのに、目覚めたときには全てが解決してしまっているので、じゃあ別に術中覚醒している必要がなかったのではないかという気もする。かと言って手術後に自由がきくようになった主人公が、君たちのやったことは全てお見通しだ、と言ってもきっとつまらない。だが、目覚めた後の何かは欲しかった。騙された悔しさや悲しさを後日談として描くという意味ではなくて、手術後に目覚めた主人公の言動が事件解決の決定打となるような何か。

 

 

 あまりに伏線がなく、登場人物たちが単純と言うか、表と裏がはっきりしてその中間のない振る舞いのせいで、ストーリーに深みが感じられない。そして、臓器移植という人間の生死に関わる事柄なのに登場人物たちのノリが軽いのも気になった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジョビー・ハロルド

 

製作 ジェイソン・クリオット/ジョン・ペノッティ/フィッシャー・スティーヴンス/ジョアナ・ヴィセンテ 

 

出演 ヘイデン・クリステンセン/ジェシカ・アルバ/テレンス・ハワード/レナ・オリン/アーリス・ハワード/クリストファー・マクドナルド/フィッシャー・スティーヴンス/ジョージナ・チャップマン/サム・ロバーズ/スティーヴン・ヒンクル/デヴィッド・ハーバー/リー・ワン/カエ・シミズ/ジョセフ・コスタ/チャーリー・ヒューソン/ラーナ・モリソン/リチャード・トムセン/ジョシュア・ローリンズ 

 

アウェイク (字幕版)

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  • ジェシカ・アルバ
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「リピーテッド」 2014

リピーテッド (字幕版)

★★☆☆☆

 

あらすじ

 何者かに襲われて、20歳以降の記憶は一晩眠ると忘れてしまう記憶障害を患った女は、毎朝目覚める度に自分が何者であるかを夫に尋ねる日々を過ごしていた。

 

感想

 こういう記憶障害を抱えてしまうと、日々の生活に支障をきたし、想像できないほど不安な日々を過ごすことになる。目覚めた時に自分が誰であるか、そして一緒に暮らしているのに、その人間が誰であるのか分からないというのは心が落ち着かない状況だ。そして過去の悲しい出来事について説明される度に、まるで初めて知ったかのように驚き悲しむ事になってしまう。そうなると時が癒してくれる事もなく、悲しい出来事は常に生々しく存在することになる。

 

 そしてそんな記憶障害を抱えた彼女を支えるというのはとても大変なことだ。毎朝、目覚める度に彼女が何者で、自分は誰で、どんな関係かといった同じ説明を繰り返さなければならない。数日であれば何とかできるかもしれないが、それが数年、数十年と続くとなると、とても耐えられそうもない。ましてや何かある度に過去の悲しい出来事についての説明を求められたりしたら、こちらも時と共に癒えるはずの心の傷も癒えようがない。記憶障害を抱えた彼女には本当に申し訳ないが、風化しつつある話を蒸し返す厄介な存在に思えてきてしまった。

 

 

 なのでそんな尋常ならざる忍耐と根気を持って支えてくれる相手がいるということは、その相手が実際にどんな人間であったとしても感謝するべきことなのだと思う。もしかしたらこれは本人の気持ちに寄り添っていないということになるのかもしれないが、家族や友人にだってサポートし続けることは簡単ではないはずだ。

 

 そう思ってしまったので、映画のストーリーにはどこか納得できないでいる。サプライズな展開が待ち受けていたが、いくつかありそうな展開のうちの一つでもあり、驚きはなかった。そして、最後の感動のはずの長ったるいシーンにも共感できず、余計だなと思ってしまった。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ローワン・ジョフィ

 

原作 わたしが眠りにつく前に (ヴィレッジブックス)

 

製作総指揮

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ボアズ・デヴィッドソン/ジョン・トンプソン/ガイヤー・コジンスキー/アヴィ・ラーナー/トレヴァー・ショート/クリスティーナ・ドゥービン/ダニー・パーキンス/ジェニー・ボーガーズ

 

出演 ニコール・キッドマン/マーク・ストロング/コリン・ファース/アンヌ=マリー・ダフ/ディーン=チャールズ・チャップマン

 

リピーテッド (字幕版)

リピーテッド (字幕版)

 

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「夢売るふたり」 2012

夢売るふたり

★★★★☆

 

あらすじ

 経営していた居酒屋を火事で失い、再起を目指す夫婦が、やがて結婚詐欺を行うようになる。

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感想

 店を失い失意のまま過ごしていた男が、ふとしたきっかけで客の女と一夜を過ごして大金を手に入れる。店の再建のために役立てようと喜んで飛んで帰ったのに、あっさり妻にばれて白状してしまうところがおかしいが、そういうごまかしが出来ない男だということでもある。

 

 そしてそこから夫婦が手を組んで、女を騙し現金を奪う詐欺に手を染め始める。松たか子演じる妻が主導権を握り、次々と現金を手に入れていく。阿部サダヲ演じる男は、男前といった雰囲気でもないのでそんなに上手く騙せるのかとも思わなくはないが、妻が対象の女の心情をくみ取ることに長けているので、ビジネス的にやってみると意外とやれるものなのかもしれない。

 

 

 あらゆる手段を使って騙そうとする妻に、距離を感じ始める夫。新たな店を始めるための資金作りという目標のためでもあるが、どこかで最初の夫の行為が、浮気ではなく金のためだったと思い込みたかったのかもしれない。

 

 夫は自分に騙されていく女の姿を見続けることで疲弊してしまっている。だが、自分のために尽くす妻を見ているともう止めることも出来ない。夫婦の間に距離が出来始め、互いに本心を言い合えないような、どこか事務的な受け答えになっていく。松たか子と阿部サダヲ、二人の演技がそんな心情をうまく表現している。最終的に夫が取った行動も理解できるような気がする。

 

 夫婦の物語であるが、妻の、そして騙された女たちの物語でもある。そこには世間の波にもまれて生きる女たちの心の隙間が垣間見える。不倫や借金、シングルマザーなど、普通とされる女の人生を歩んでいない事に対する引け目のようなものをどこかで抱えている。普段は表面に出てこないが、ふとしたきっかけでそれが露わになる。そんな経験を重ねながらも、彼女たちはたくましく新たな一歩を踏み出して生きていく。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/原案 西川美和

 

出演

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阿部サダヲ/田中麗奈/鈴木砂羽/安藤玉恵/江原由夏/木村多江/やべきょうすけ/大堀こういち/倉科カナ/伊勢谷友介/ヤン・イクチュン/古舘寛治/小林勝也/笑福亭鶴瓶/中村靖日/山中崇/猫背椿

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夢売るふたり

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「ラストベガス」 2013

ラストベガス(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 60年来の親友4人組の中の一人が若い女性と結婚することになり、ラスベガスで結婚前のパーティを行う計画を立てる。

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感想

 少年時代のちょっとしたエピソードから始まり、その後一気に60年後へ舞台が飛ぶ。青春時代の彼らの思い出や幼馴染の女性をめぐる争い、その他にも結婚や離婚、子供の成長や伴侶の死など、様々な出来事が彼らの人生にはあったはずだが、それらはすでに過去の事になっているのが味わい深い。現在の彼らの様子を見れば、どんな人生を歩んできたのかを窺い知ることができる。

 

 そんな彼らがラスベガスに集まりハメを外して楽しむのだが、若者のように無邪気にはしゃぐのではなく、それぞれが人生で抱えたものを気にしながらも楽しもうとする。長年連れ添った妻や持病を気にかける子供など、彼らには時間をかけて築いてきた大事な関係があり、一時の僅かな気の迷いでそれらに亀裂を入れてしまうことの愚かさを知っている。

 

 

 いい年をした老人たちが楽しそうにしていてくれると、こちらまで生きる元気が出てくる。若者と老人が互いに対立するのではなく、こんな風に互いにリスペクトしあえるような世界になれば、世の中はもっと良くなりそうである。笑えて泣けるいい映画だった。

 

スタッフ/キャスト

監督 ジョン・タートルトーブ

 

脚本 ダン・フォーゲルマン

 

出演 マイケル・ダグラス/ケヴィン・クライン

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メアリー・スティーンバージェン/ロジャー・バート/マイケル・イーリー/ブレ・ブレア/ヴェロニカ・ロサティ/カーティス・ジャクソン /レッドフー 

 

音楽 マーク・マザースボウ

 

ラストベガス(字幕版)

ラストベガス(字幕版)

  • マイケル・ダグラス
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「BIUTIFUL ビューティフル」 2010

ビューティフル(字幕版)

★★★★☆

 

あらすじ

 舞台はスペイン・バルセロナ。末期の病気であることを知った男は、残される家族や周囲の人間について考え、動き始める。メキシコ映画。

 

感想

 細かな説明もなく断片的な映像で、序盤はあまり状況が飲み込めないまま、物語が進む。エピソードが積み重なっていくことで、主人公の置かれた状況、人間関係などが次第に浮かび上がってくる。

 

 主人公はあまり真っ当な仕事をしていないようである。中国人に偽物のブランド品を作らせ、アフリカ人に路上で売らせている。不法滞在者を働かせて、上前をはねている。ただ人を人とも思わないような悪徳な人間かといえばそうでもない。強制送還されてしまったアフリカ人の残された家族の面倒を見たり、酷い住環境で生活する不法滞在者たちに暖房設備を設置してやったり。

 

 

 しかし、スペインにもこんなに移民が押し寄せているのかと結構驚いた。そして世界中どこに行ってもそれなりの立ち位置を築いてしまう中国人のたくましさには感心してしまう。

 

 思わぬ事件が起きてしまったり、子供たちを託そうとした別れた妻との関係も修復できなかったりと、何もかもがうまくいくわけではない。だが、死を意識して自分のためではなく残された者のために出来る限りのことをしたことで、どうやら何とかなりそうではある。不慮の事故で死んでしまったりするよりは、後のことを考え何かを託す時間があるだけ、少しはましなのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト 

監督/脚本/原案/製作 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

 

出演 ハビエル・バルデム/マリセル・アルバレス/アナー・ボウチャイブ/ギレルモ・エストレヤ/エドゥアルド・フェルナンデス/シェイク・エンディアイェ/ディアリァトゥ・ダフ/チェン・ツァイシェン/ルオ・チン/アナ・ワヘネル

 

音楽 グスターボ・サンタオラヤ

 

ビューティフル(字幕版)

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  • ハビエル・バルデム
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「悪名」 1961

悪名 

★★★☆☆

 

あらすじ

 逃げるのに失敗して再び遊郭に売り飛ばされた知り合いの女を救出に向かう男と、その弟分。

 

感想

 慣れるまではセリフが聞き取りにくい。古いからということもあるのだろうが、キツい印象を受ける河内弁も影響しているはずだ。

 

 今なら見所は勝新太郎と中村玉緒の実の夫婦の初々しい共演と言えるが、それ以外だと何があっただろう?と思ってしまうような、あまり盛り上がりのない映画だった。ヤクザ映画にありがちな派手な決闘シーンがあるわけでもなく、女の救出もほぼ失敗に終わるし、切ない恋物語もない。

 

 

 公開当時の人達は、要所要所で見せる勝新太郎演じる主人公の態度にしびれていたのかもしれない。賭場や親分との対峙など緊迫感のある場面での、主人公の物怖じしない真っ直ぐな言動は確かに見ていて気持ちいい。次々と女が寄ってきて断りきれずにいい仲になってしまうモテっぷりも、高倉健的な任侠映画からすると珍しいかもしれない。

 

 主人公が浪花千栄子演じる女親分にシバかれまくるというのも、なかなか斬新なエンディングだった。

 

スタッフ/キャスト

監督  田中徳三

 

脚本 依田義賢

 

原作 悪名 (新潮文庫 こ 5-3)

 

出演 勝新太郎/田宮二郎/中村玉緒/中田康子/水谷良重/浪花千栄子/阿井美千子/倉田マユミ/藤原礼子/若杉曜子/高橋とよ/山茶花究/千葉敏郎/須賀不二男/嵐三右衛門/荒木忍/西川ヒノデ/永田靖

 

音楽  伊福部昭

 

撮影  宮川一夫

 

編集    菅沼完二

 

悪名

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「美しき諍い女」 1991

美しき諍い女 リストアHDマスター 無修正版 [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 高名な画家の邸宅を訪れた女はモデルを引き受けることになり、それぞれの妻や恋人との関係に微妙な暗い影を落とすようになる。

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 フランス映画。原題は「La Belle Noiseuse」。238分。

 

感想

 観るのになかなかの覚悟がいる4時間ほどある作品だ。その殆どが画家が絵を描いているシーンで、端折ればいいのにと思わなくもないのだが、なぜか全然見れたりする。きっとまったく無地のキャンバスから作品が浮かび上がってくるという過程に惹きつけられるのだろう。実際に本当の画家が描いているそうだ。

 

 そして、画家にまるで人形のように扱われてポーズを決められ、その後は体の隅々を見つめられながら、筆を動かす音を長時間聞かされ続けたら、モデルが変な気になるのも分かるような気がした。はたから見ている分には、ヌードにも慣れてくるといやらしさは感じなくなるのだが、画家とモデルの関係には、どこか特別な雰囲気をまといだしているのが分かる。

 

 

 そんな二人の関係に気を揉む妻や恋人。途中から恋人の妹が存在感を放ち始めるのがよくわからないが、皆が承知の上で始めたことだからこそ心境は複雑だ。

 

 最後に画家が取った行動は自分が納得できるかだけが重要で、他人の批評なんて関係ないという、いかにも芸術家らしい矜持でもある。そしてそうすることで現実の実生活を守ったということか。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 ジャック・リヴェット

 

出演 ミシェル・ピコリ/ジェーン・バーキン/エマニュエル・ベアール/マリアンヌ・ドニクール/ダヴィッド・バースタイン

 

美しき諍い女 (字幕版)

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「魔界転生」 1981

魔界転生(1981年)

★★★☆☆

 

あらすじ

 島原の乱で無念の死を遂げた天草四郎時貞が蘇り、同様の死を遂げた宮本武蔵らを蘇らせ、それぞれが現世で果たせなかった無念を晴らそうとする。

 

感想

 天草四郎役の沢田研二が、リーダーとしてのカリスマ性を感じさせる演技で素晴らしく、説得力がある。とはいえ、序盤の宮本武蔵らを蘇らせ、仲間に加えていく過程は若干だるかった。物語の前提をこしらえるためには必要な処置ではあるが。

 

 

 それぞれが無念を晴らすことは大体できたと言えるが、皆どこか達成感のない顔をしているのが印象的だ。わざわざ蘇ってまですることではなかったと、思い知らされているのかもしれない。

 

 ラストの燃えさかる炎の中で行われる柳生十兵衛の戦いは、迫力があって圧巻だ。実際に炎の中で撮影したらしい。CGじゃ、こうも迫力は出ないだろう。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本 深作欣二

 

原作 魔界転生 上 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

 

製作/出演 角川春樹

 

出演 千葉真一/沢田研二/佳那晃子/緒形拳/室田日出男/真田広之/成田三樹夫/若山富三郎/浜村純/犬塚弘/白石加代子(声)

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魔界転生 - Wikipedia

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