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「1992 一触即発の夜」 2024

1992:一触即発の夜

★★★☆☆

 

あらすじ

 1992年のロサンゼルス暴動の夜、息子を連れて職場の工場に避難した男は、そこで盗みに入っていた凶悪な犯罪者たちと鉢合わせしてしまう。

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 タイリース・ギブソン、スコット・イーストウッド、レイ・リオッタら出演。96分。

 

感想

 出所後は真面目に働き、息子との関係も修復し、なんとかセカンドチャンスを活かそうとする黒人の男が主人公だ。息子と共に避難した職場の工場で、暴動に乗じて窃盗にやってきた、親子を中心とする犯罪集団と鉢合わせし、戦うことになる。

 

 前半は、犯罪者集団の犯行計画と、不当な裁判によって不穏な空気が漂い始める街の中で淡々と過ごす主人公の姿が、たっぷりと時間をかけて描かれていく。元犯罪者の主人公は、町の悪そうな黒人たちに一目置かれているが、本人はそんなものには何の価値もないと冷めている。

 

 

 そんなことに気を良くしていたら、犯罪者の世界から抜け出せなくなることに気付いているからだろう。しかし、街で見かけたトラブルには、銃を突きつけられても動じることなく介入し、困った人たちを助けている。身についた強さを、良いことに使っていると言える。

 

 反抗的な息子が、そんな父親の姿を見て尊敬のまなざしを浮かべていたが、そんな息子に気付いて主人公が、「お前が俺みたいになることを恐れている」と吐露するシーンは印象的だ。そうでなければ生きられない過酷な環境から抜け出せない境遇を嘆いている。

 

 一方の犯罪者集団は、工場に侵入して犯行を開始する。こちらにも親子がいて、犯行を計画した息子は、目的のためならどんな酷いことでもやる非情な父親を疎ましく思っている。彼の身勝手で荒っぽい手口に苛立ちながらも、なんとか作業を続ける。

 

 ところで、犯行中に降りてきた金庫を覆う壁を制止するため、慌ててリフトで支えたら、タイヤが仲間の足に乗っかってしまったシーンがある。壁が降りてきてしまうからリフトを動かすことは出来ないと判断した彼らは、ショッキングにも仲間の足を切断してしまうのだが、別のリフトを持ってきて支えればいいだけでは?と思ってしまった。工場なのでリフトなんて何台もある。いずれは切断しなければならなかったかもしれないが、そこでやる必要はなかった。

 

 そして、主人公親子がやって来て、両者の対決が始まる。親子はバラバラになり、犯罪者側は状況の理解がバラバラで、分かりやすく主人公親子対犯罪者集団、とはならないのが、リアルと言えばリアルだ。そして、対決自体もリアル路線で、アクションとしてはそれほど見ごたえはない。

 

 その代わりに、対決の構図がいつの間にか変わり、主人公と犯罪者側の息子が共闘し、父親と対峙することになるのが面白い。息子に自分のようにはなってもらいたくない黒人の主人公と、父親のようにはなりたくない白人の息子のコンビだ。人種差別に端を発したロサンゼルス暴動の日が舞台で、本格的な対決が始まるまではそれ以外の描写を丹念にしていることからも、単なるアクション映画でなく、そういった社会的なテーマを描こうとしているのだろう。

ロサンゼルス暴動 - Wikipedia

 

 対決の結末としてはハッピーエンドだ。しかし、父親のようにはなりたくなかった白人が命を落とし、自分のようにはなってもらいたくなかった黒人の息子が同じ道を歩み出した結末は、世代が変わっても社会は変わらないことを暗示しており、どんよりとした余韻を残す。ただ、意図は汲み取れるが、もう少しクライム・スリラーとしても楽しませて欲しかった感はある。

 

スタッフ/キャスト

監督/脚本/製作 アリエル・ブロメン

 

脚本/原案/製作 サッシャ・ペン

 

製作総指揮 スヌープ・ドッグ

 

出演 タイリース・ギブソン/スコット・イーストウッド/レイ・リオッタ

 

1992:一触即発の夜

1992:一触即発の夜

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