★★★☆☆
感想
この映画は、とにかくフィリップ・シーモア・ホフマンの演技に尽きる気がする。実際、カポーティがどんな人だったかは知らないが、こんな人だったのだろうな、と思わせる説得力がある。
いかにも変人で、パーティーでは妙に饒舌で皆の注目を浴び、だけど一人になれば深く考え込むような素振り。ストーリーがどうこういうよりも、カポーティへの興味で映画にひきこまれてしまう。犯人を同じ家に生まれた兄弟のようだと同情を寄せつつも、作品を仕上げるためにしたたかな計算もしている。本当にどこに真意があるのか、つかみどころがない。
この作品を作るためには犯人のことをもっと知る必要があると、弁護士を手配したりしていたのに、作品が完成するためには終わりがなければならないと、犯人の死刑が執行される事を望むようになるカポーティ。最終的には自ら泥沼にはまり込んでしまった感のある彼が、この作品の完成後、2度と小説を書くことが無かったというのも分かるような気がする。
スタッフ/キャスト
監督 ベネット・ミラー
脚本/製作総指揮 ダン・ファターマン
製作総指揮/出演
出演
キャサリン・キーナー/クリフトン・コリンズJr/マーク・ペルグリノ/クリス・クーパー/ブルース・グリーンウッド/ボブ・バラバン/エイミー・ライアン/マーシャル・ベル
登場する作品
登場する著名人
トルーマン・カポーティ/ネル・ハーパー・リー/リチャード・アヴェドン