★★★★☆
ニュースや新聞でよく目や耳にする経済の問題等を、数学を用いて解説する。
なるほど数学者は世のすべての現象を数式で表そうとしているんだなぁってことがわかる。なんとなく感覚で理解していたことでも、数式で語られると妙に納得する。ただ、それがどうしたの?みたいな結果論的なものもあるのだが。それはこちらの理解が足りないのか、まだその数式が有用となるほど突き詰められていないからなのか。
オークションの話や分散投資の話はかなり納得したが、なかでも分散投資のフロンティア曲線の話はかなり感動した。なるほどこうやって同じリターンでも、リスクを低くしていくことが出来るのかと。個人的には分散投資に興味があるので、この辺りをもっとやって欲しかった。でもそれをしたらこの本の趣旨が崩れるわけだが。
関係ないけどこれ読む前に藤巻健史の本読んでおいてよかった。金融用語が出て来ても、あああれね、って余裕でいられた。
分散投資のようにこれについて詳しく知りたいってものがある人は、それをテーマにした本を読んだほうがいいと思うが、漠然とした数学に対する興味がある人には、これはそのいい入り口になりそう。
著者 小島寛之