★★★☆☆
あらすじ
痴呆症を患った義母を引き取った主婦と、その家族の物語。
感想
吉行和子の演技が見事だ。何も無い中空をきょろきょろと見ながら不安げな表情を浮かべるところなど、まるで”本物”のようだった。原田美枝子やその他の出演者もいい演技をしていて、それだけにトミーズ雅の残念な演技が際立っていた。
しかし、これから高齢化がどんどんと深刻になっていく日本は大丈夫なのだろうか。痴呆も、この映画の場合は家族がいるからいいが、身寄りのいない場合はどうなってしまうのだろう。最近は独居老人も増えているらしいし、徘徊しても誰も探してくれない老人達が街中にあふれ出す、とかなったらSFの世界だ。
そう考えると高齢化社会は深刻な社会問題だなと、今更ながら痛感する。しかも、その老人達を支えなくてはいけない若者達は就職できなかったり、選挙に行っても上の世代の方が人数が多いせいで自分達の意見は反映されにくかったり、そのくせ「今どきの若者は…」などと年寄りに小言を言われたり、散々なわけだが。
スタッフ/キャスト
監督/製作/脚本 松井久子
原作 忘れても、しあわせ
出演 原田美枝子/吉行和子/トミーズ雅/田野あさ美/三宅零治/加藤登紀子/乾貴美子/岡本麗/中島ひろ子/りりィ/蛭子能収/角替和枝