★★★★☆
あらすじ
「浜」と「沖」の区別がある町で暮らす少年に起こった、痛々しい物語。
感想
ずっと胸が詰まるような思いで物語を読み進まなければいけない。乾いた文章だ。「絶望」という言葉が浮かぶ。だけど読むのを止めることが出来ない。
正直、何をどうしたら好転するのかすら全く分からなくなるような状況で、主人公の少年は必死にもがく。この状況下で生きる術を何とか見つけようとする。変に媚びたり、強がったりせずにやり過ごそうとする少年の姿に胸が打たれる。
それにしても救いのない物語だった。最後に希望の見える終わり方をしているが、少年にとってはどうだったのだろう。必死に生きた証のようなものは残ったが。
本の装丁が恐ろしいことになっているが、本の内容にふさわしい装丁だ。
著者
重松清
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