★★★★☆
内容
進化するウェブの世界を紹介する。
感想
2006年に書かれたものなので、今では普通になっているものから、そんなものもあったなと思うものまで、ネット上の出来事が語られていて感慨深い。たかだか6年程でもネットの世界は大きく進化してるのだなと改めて認識させられる。当時読んだらきっとわくわくしてしまっていたはずだ。
著者の楽観的な姿勢がいい。日本ではこういった本でネットを論じるときは、どこか斜に構えた論調になりがちで、パラダイスのように見えて実はこんな危険が潜んでいるとか、プライバシーがどうとか、否定的な面をどこかに盛り込んでくる。確かにそれはあるのかもしれないが、そればかり語られると、読んでる方はネットは便利だが気を付けないといけないな、と優等生的に思うだけで終わってしまう。
だが、この本の中ではあまりそのことを触れずに、ネットではこんな可能性が広がっていると紹介していく。こういう語り口だと、じゃあこんなこともできるんじゃない?と夢が広がっていく。
きっとアメリカではこんな風にポジティブに語る人が多くて、いろいろな新しいネットサービスが生まれていくのだろうな、と思った。ポジティブな姿勢というのは大事だ。この本で紹介されている事例の中には今では聞かないサービスも紹介されているが、でもそれだってその失敗を教訓に、また新たなサービスを産んでいっているのだろう。試行錯誤して。
著者
梅田望夫
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