★★★★☆
内容
時間管理について書かれた本。
感想
こういう類の本はたくさんあるが、この人は押しつけがましくなくていい。あれをやれ、これをやれではなく、僕はこうしている、というスタンス。あなたの参考になれば、みたいな空気があるので、イラつくことなく読める。
人生という限られた時間の中で、やりたくないけどやらなければいけないことはたくさんある。それならば、そのやらなければいけないことは出来るだけ手間暇かけずに効率的にやってしまおうという発想。こういうのは好きだ。何でも根性や努力で乗り切る人は馬鹿だと思っているもので。
時にはそれも必要だが、楽にできるなら楽にやってしまった方がいい。だが何でも努力や根性で乗り切る側の人は、それを理解できずに「ずるい」とか「卑怯」とか感じていて、こっちはこっちで楽する人を馬鹿にしていたりする。価値観の問題ではあるのでそれは自由だが、職場で努力や根性派が幅を利かせていると殺意を覚える。
GoogleとかEvernoteとかDropBoxとか、今や普通の存在だと思うのだが、職場でそれを自由に使うのが許されているところというのはあまりないのでは。個人的にこっそり使うことはあるかもしれないが、社内の人間同士で情報を共有したりするために利用するのはなかなかハードルが高い。セキュリティーの問題や上司の理解の問題で。なのでこの本で使えるテクニックは少ないのかもしれない、普通の会社員には。
最後にそれぞれがアイデアを持ち寄って、今いる場所をより良い場所にしていこうとすることが大事、という話には共感を覚えた。不満ばかり言ってないで、自分の今いる場所を居心地の良い空間に変えていく努力をすることが、ここではないどこかを探すより手っ取り早いのかもしれない。ただし、今現在いる場所に少しの不満があるくらいなら、だが。不満しかない長所が見つからない場所なら、場所を変えてそれをやった方がいい。
著者
小山龍介