★★★☆☆
内容
婚約者に会いに行く途上の客船で、男が魅力的な女性と出会う。同じ監督による1939年の映画「邂逅」のリメイク。
感想
ケーリー・グラント演じる男は何者なのだろう。婚約のニュースが流れるぐらいだから有名人なのだろうが、何をやっている人かがわからない。
そして、プレイボーイとして名を馳せているケーリー・グラントが、船上で出会った女性をなぜ結婚したくなるほど好きになったのかも伝わってこない。船の上という限られた空間の中でだったら、それこそプレイボーイ的に数日楽しく過ごすだけの仲の方がふさわしいような気もする。
途中、船を下りて彼の祖母に二人で会ったのが大きかったのかもしれない。自分の肉親に合わせると親愛の情が沸いてしまうものだろうか。彼の愛する祖母と3人でしばらくの時間を過ごしたことで二人の仲は深まっていった。
船を降りてエンパイアステートビルで再会の約束をするも果たせず、ぎくしゃくしていた二人の、誤解が解けたシーンはセリフが素晴らしかった。本心を押し隠して互いに相手を探るような会話をしながら次第に溝が埋まっていく。
だが、この映画の中で真実の愛を貫いたのは、デボラ・カー演じる女性の元婚約者なわけだが。自分の恋人に他に愛する人が出来たのに、その彼女を支えてその恋が実ることを願う。そんなことなかなかできない。恋愛映画ではたまに現れる役柄だが、主役二人の引き立て役でしかないというのが悲しい。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/原案 レオ・マッケリー
脚本 デルマー・デイヴィス/ドナルド・オグデン・ステュワート
出演 ケイリー・グラント/デボラ・カー/リチャード・デニング/キャスリーン・ネスビット
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