★★★★☆
あらすじ
まだ無名時代の明智光秀と、ひょんなことから交流するようになった破戒僧と武芸者。
感想
歴史小説に数学を持ち込んでいて面白い。そのうちの一つ、4つのお椀の問題は、以前何かで読んでなんとなく知っていたが、信長とやり取りしながら、その問題を解説して行く過程はすごくわかりやすくて腑に落ちた。と同時にその謎を解いてしまう信長の凄さも伝わってくる。
本能寺の変の解釈も、光秀のバックボーンに注目していて、なるほどと思わせてくれる。確かに信長の主な部下たちの中で、確かな出自の人間というのはそんなにいなかった。
最後も数学の問題を絡めながら終わっていく。結局、初志を貫く人間ではなく、平気で変われる人間がたくましく生き残っていける。
著者
垣根涼介