★★★☆☆
あらすじ
「王子と踊子」の撮影の為、イギリスにやって来たマリリン・モンローと、第三助監督として参加した青年の恋。イギリス映画。
感想
マリリンを演じたミシェル・ウィリアムズはよく似ていた。似ているだけに似ていない部分が気になるが、悪くなかった。
情緒不安定でなかなか撮影に現れないマリリン。そして彼女にずっと付き添う女性。マリリンは彼女に頼り切っている。有名人が誰かに頼り切ってしまうというのは、この世界ではあるあるなのだろう。
彼女のお陰でなかなか撮影が進まないことに苛立つ役者陣。それでも、努めて冷静に、礼儀正しく対処しようとしているのに軽く感動する。時間になっても現れず、付き添いの女性に「彼女は準備する時間が必要なの」とか言われたら、それなら時間までに準備をしておけよ、と言いたくなるが。
そんな中でも、ジュディ・デンチ演じるベテラン女優が良かった。マリリンに敬意を持って接し、プライドを傷つけないように助けようとする。人間が出来ている感が半端ない。
マリリンに振り回され続ける役者陣も、いざカメラの前に立つと輝きを放つ彼女の事はちゃんと認めている。認めたくないと思いつつも、認めざるを得ないという感じだろうか。
マリリンの監視役を命じられた青年は役得だったといえる。マリリンは人を惹きつけられる能力があるし、頭が悪い人ではなかったのだろう。ただ自分を信じられなかった。映画スターとしてしか自分を見てくれない世間に不満を漏らしながらも、スターの座を捨てて一緒になってくれという青年の言葉を、あっさり拒否するのが印象的だった。
スタッフ/キャスト
監督 サイモン・カーティス
原作
The Prince, the Showgirl, and Me: Six Months on the Set With Marilyn and Oliver
出演 ミシェル・ウィリアムズ/ケネス・ブラナー/エディ・レッドメイン/エマ・ワトソン/ジュディ・デンチ/ドミニク・クーパー/ジュリア・オーモンド/ゾーイ・ワナメイカー/ダグレイ・スコット/トビー・ジョーンズ/デレク・ジャコビ/フィリップ・ジャクソン
登場する作品
劇中で撮影している作品
登場する人物
マリリン・モンロー/ローレンス・オリヴィエ/ミルトン・H・グリーン/ヴィヴィアン・リー/ポーラ・ストラスバーグ/アーサー・ミラー