★★★☆☆
あらすじ
謎の女性から超一流の美術鑑定士のもとに、大邸宅内の美術品や調度品の鑑定の依頼が入る。
感想
監督は「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレだ。こういう映画も撮るのかと意外な感じがする。彼は巨匠感があるが、まだ60台前半と案外と若かった。
ジェフリー・ラッシュ演じる男が顔を見せようとしない女性に次第に惹かれていく。やがて女性も彼の想いに応えていくのだが、正直、この年齢差はムリがあるだろうと思いながら観ていた。初老の男が若い女に惹かれるのは分かるが、女がそれに応えるかなと疑問だった。ないわけじゃないが嘘っぽいなとは思っていたので、その後の急展開は逆にホッとした。そりゃそうだろうなと。
女性を描いた絵画を集めて鑑賞するのはちょっと高尚な感じがするが、好きなアニメのキャラクターやグラビアモデルのポスターを集めて眺めているのとそう変わらない。そんなささやかな幸せを生きがいにしている男に対してひどい仕打ちだなと思ってしまったが、それまでの生き方では絶対に得られなかった経験ができたのだから、これは幸せなことだったのかもしれないと思い直した。本人が諦めていたような出来事が起きたのだからきっと良かったのだ。いつの間にか手袋も外していた。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 ジェフリー・ラッシュ/ジム・スタージェス/シルヴィア・フークス/ドナルド・サザーランド/フィリップ・ジャクソン/リヤ・ケベデ
音楽 エンニオ・モリコーネ