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「LIFE DESIGN スタンフォード式 最高の人生設計」 2017

LIFE DESIGN(ライフデザイン)――スタンフォード式 最高の人生設計

★★★☆☆

 

内容

 デザイン思考を取り入れた人生設計の方法。スタンフォード大学の人気講座「Designing Your Life」で教える二人による著書。

Stanford Life Design Lab

 

感想

 幸せとは何か?と問われるとなかなか難しい。誰かにとっては幸せでも、自分にとっては幸せではないこともあるし、幸せになれると思ってやってみたこともいざやってみると虚しさしか覚えなかったりすることもある。つまり幸せとは人それぞれで、答えは一つではない。

 

 どのように自分自身の幸せな生き方を見つけるのか?その方法が紹介されている。この手の本でありがちな「好きなことを見つけなさい」というアドバイスに否定的なのが好感が持てる。

 

わたしたちは情熱を見つけることにはあまり賛成できない。むしろ、時間をかけて情熱を養っていくことが大事だ。研究結果が示すとおり、ほとんどのひとにとって情熱とは、なにかを試してみて、それが好きだと気づき、上達したあとで生まれるものだ。もっと簡単にいえば、情熱とは巧妙なライフデザインの結果であって、原因ではないのだ。

単行本 p39

 

  きっと好きなこと、やりたいことが見つからない、分からないから何も始められない人もいるはずで、そういう人たちでも読み進められ、各章末の課題をこなすことで、最高の人生設計が行えるようになっている。

 

 まず何よりも自分を知ることが大事なのだということを改めて思い知らされる。自分が今どこにいて、どんなことに夢中になり、何に退屈を感じているかを理解する必要がある。そして、なるべく退屈な事はしないで、夢中になれることに時間をかけられるようすれば良い。そうすれば自然と充実した人生になるはずだ。

 

 

 更にはいきなり仕事を辞めたり、会社を立ち上げたりするのではなく、まずは小さなプロトタイプを作り、小さな失敗を繰り返しながら試行錯誤していくというデザイン思考の方法をライフデザインに取り入れている。そうすることで一発勝負の大きな賭けに出て、立ち直れないくらいの大失敗をすることもなく、ゆるやかに幸せな人生を形成していくことができる。

 

 重力のような、どうすることも出来ない事柄に無駄な時間を費やすな、というアドバイスも示唆に富んでいる。それは解決できる問題ではなく、環境であり現実なのでそのような状況でどうすればよいかを考えるべきだ、という考えだ。

 

 歳を重ねるにつれて、自分の人生なんてどうせこんなものだ、と納得しようとしている自分がいるが、そうではなく、まだ何とでもなるんだと、希望を持たせてくれる内容となっている。まずは実践してみることが重要だ。

 

著者

ビル・バーネット/デイヴ・エヴァンス

 

スタンフォード式 人生デザイン講座 (ハヤカワ文庫NF)
 

 

 

登場する作品

Let Your Life Speak: Listening for the Voice of Vocation

Applied Imagination: Principles and Procedures of Creative Problem-Solving

オズの魔法使い (新潮文庫)

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異星の客 (創元SF文庫)

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FINITE AND INFINITE GAMES

 

 

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