BookCites

個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「孤高のメス」 2010

孤高のメス

★★★★☆

 

 看護婦であった母親が死んで、遺品を整理していた息子は、母親の残した日記を見つける。

 

 医者が誤診や医療ミスで手術を途中で諦めて、切り開いた箇所を閉じるだけで他の病院に患者を回そうとするシーンとか怖すぎる。でも実際には普通によくあることなんだろう。そんな患者を送り込まれた医師が「あのドラ息子・・・」と口にする所とか妙にリアルに感じてしまう。

 

 こんな医療ミスや誤診、助かる見込みがあるのに説明も適切な処置も取られることもなく死なされる事があったとしても、遺族はそれに気づくことすらなく、ただ寿命だったとあきらめるしかないというのは切ない。ましてや真実を突き止めて訴訟を起こす事など並大抵のことでは出来るわけがない。

 

 当然そんな状況では病院で働く人間たちの士気も低い。しかし、堤真一演じる一人の有能な医師がやってくることで、その状況は一変する。目の前の患者に対して最善を尽くすという姿勢が周りに伝染していき、皆の士気が上がっていく。きっと人間はお金や待遇なんかじゃなくて、やりがいがあるかどうかでモチベーションが左右される。だからといってやりがいだけ与えて搾取していいわけではないが。

 

 やがてまだ認められていない脳死による臓器移植が行われる。手術シーンは直視できないくらい苦手なのだが、そんな事を言っていられないほど手術シーンが多くて、段々慣れてきてしまった。

 

 臓器の提供者と移植を希望する患者が同じ病院にいるとか都合が良すぎる展開だし、それに関わる人間たちがみな善人過ぎるきらいもあるが、美しい世界ではあった。

 

 病院を去る堤真一演じる医師に言葉をかけられた看護婦役の夏川結衣がとてもいい表情をしていた。「嘘つき」と怒りながらも悲しくて泣いているような、どこか拗ねた少女のような、複雑な表情。

 

 母親の勤務先の病院を訪ねた息子が、かつての写真や新聞記事、ファイルなどが並ぶ部屋の中をゆっくりと眺め始めた時に、何か衝撃的な事実が隠されていたことに気づく展開かとドキドキしてしまった。結局何事もなかったのだが、この美しい世界を描いた物語にそんな展開はいらないので安心した。

 

監督 成島出

 

原作 メスよ輝け!! 全8巻セット (集英社文庫―コミック版)

 

出演

bookcites.hatenadiary.com夏川結衣吉沢悠中越典子矢島健一成宮寛貴平田満松重豊徳井優/でんでん/太賀/堀部圭亮/隆大介/余貴美子

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com

  

孤高のメス

孤高のメス

 

メスよ輝け!! - Wikipedia

 

 

bookcites.hatenadiary.com

bookcites.hatenadiary.com