★★★☆☆
あらすじ
高名な画家の邸宅を訪れた女はモデルを引き受けることになり、それぞれの妻や恋人との関係に微妙な暗い影を落とすようになる。
フランス映画。原題は「La Belle Noiseuse」。238分。
感想
観るのになかなかの覚悟がいる4時間ほどある作品だ。その殆どが画家が絵を描いているシーンで、端折ればいいのにと思わなくもないのだが、なぜか全然見れたりする。きっとまったく無地のキャンバスから作品が浮かび上がってくるという過程に惹きつけられるのだろう。実際に本当の画家が描いているそうだ。
そして、画家にまるで人形のように扱われてポーズを決められ、その後は体の隅々を見つめられながら、筆を動かす音を長時間聞かされ続けたら、モデルが変な気になるのも分かるような気がした。はたから見ている分には、ヌードにも慣れてくるといやらしさは感じなくなるのだが、画家とモデルの関係には、どこか特別な雰囲気をまといだしているのが分かる。
そんな二人の関係に気を揉む妻や恋人。途中から恋人の妹が存在感を放ち始めるのがよくわからないが、皆が承知の上で始めたことだからこそ心境は複雑だ。
最後に画家が取った行動は自分が納得できるかだけが重要で、他人の批評なんて関係ないという、いかにも芸術家らしい矜持でもある。そしてそうすることで現実の実生活を守ったということか。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ジャック・リヴェット
出演 ミシェル・ピコリ/ジェーン・バーキン/エマニュエル・ベアール/マリアンヌ・ドニクール/ダヴィッド・バースタイン
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