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「SINGLE TASK 一点集中術 「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる」 2017

SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる

★★★★☆

 

 シングルタスクの効用を説いた本。

 

 電話にテレビにメールにSNSにと、現代は様々な情報が個人の生活に勝手に入りこんでくる社会である。そんな状況に置かれるとついついそれぞれの情報に反応してしまい、いつの間にか同時進行で様々なことをやってしまっている。誰かと食事をしているのにスマホばかり見ていたり、すぐにやらなければいけない仕事をしているのにメールが来る度にチェックしたり。誘惑にかられてマルチタスクをしてしまっているというところだろうか。

 

 本来、「一度に複数の作業をしようとする」こと自体が「気が散っている」ことを意味する。

p36

 

 あまりマルチタスクを積極的に行おうとしている人は見たことがないし、そんな人がいたら頭悪そうに思ってしまうのだが、とにかく、ついついやってしまうマルチタスクは気が散っている状態ということである。気が散っている状態で作業を行えば、当然成果は中途半端なものになり、満足感を得ることは難しい。また人に対しても中途半端な対応をすることになり、人間関係にも悪影響を及ぼす。そもそもマルチタスクは人間の脳のシステム的にも不可能なのである。

 

 それに対してシングルタスクは、一つだけの作業を行うことで集中力を増加させフロー体験を呼び込み、成果を最大にして、達成感を得ることができる。また人に対しても目の前の相手に集中することで信頼を得ることが出来、良好な人間関係を築けるようなる。良い事ずくめだ。

 

 ただきっとそんなシングルタスクの利点は多くの人が気付いていることだろう。人類は元々シングルタスクをしてきたわけだし、丁寧な暮らしとかロハス的な事に共感を覚えるのもそういうことなのかもしれない。わかってはいるけど、ついスマホを見たりしてしまうことが問題なのである。

 

 本書ではそんなマルチタスクへの誘惑にどのように対処し、いかにシングルタスクに切り替えていくかが書かれている。程よい文量で説明もわかり易く納得できる内容で、頑張ってシングルタスクに切り替えていくか、という気にさせてくれる本である。とりあえず暇さえあればイジってしまうスマホとの関係を見直せば、大きな効果がありそうだ。

  

著者 デボラ・ザック

 

SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる

SINGLE TASK 一点集中術――「シングルタスクの原則」ですべての成果が最大になる

 

 

登場する作品

ネット・バカ インターネットがわたしたちの脳にしていること

フロー体験 喜びの現象学 (SEKAISHISO SEMINAR)

Juran's Quality Handbook: The Complete Guide to Performance Excellence, Seventh Edition

タオのプーさん

The Good Enough Child: How to Have an Imperfect Family and Be Perfectly Satisfied

 

 

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