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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「映画 ビリギャル」 2015

映画「ビリギャル」【TBSオンデマンド】

★★★★☆

 

あらすじ

 エスカレーター式の大学への進学を絶たれた女子高生が、一念発起して慶応大学への進学を目指す。

 

感想

 いかにも頭の悪そうなギャルの格好をして塾にやってきた女子高生に対して、かっこいいファッションだね、と塾講師が声をかける時点でもう赦されている感があった。別に謝る必要は何もないのだが、外見や態度を見て否定から入りそうなところを、肯定から入って君はそのままでいいんだよと伝えている。

 

 自分に対して常にデキる人だと接してくる人がいるだけで、実際にデキる人になっていくというのは不思議だ。だけどそういう風に常に接することは難しい。「やればできる子だ」という禁句もついつい言ってしまいそうになる。

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 突き詰めて言ってしまえば寝る間も惜しんで必死に勉強したら、良い大学に入れるのは当たり前。別に驚くことじゃない簡単なことだ。難しいのは寝る間も惜しんで勉強するモチベーションを維持すること。それが皆、分かっていてもできない。本人の意志が重要なのはもちろんだが、環境も大事になってくる。

 

 主人公の父親は、息子をプロ野球選手にする事に夢中で、他の家族はかえりみない。娘たちのことは母親に任せきりで、金すらろくに渡さない鬼畜ぶり。そんな父親なら母親もヒドい女かと思ったら、こちらは娘のためにパートで働いて支えるという良き母親。どうにもバランスの悪い歪な家族という印象だ。

 

 

 ただ母親も娘をエスカレーター式の中学に入れたり、遊んでばかりで全然勉強をしない娘を注意しなかったり、かと思えば別の大学への進学を勧めたりと娘を操っている感はある。ひとつ間違えれば娘の人生を台無しにして、恨まれていたかもしれない。

 

 もう一つ歪なのは日本の教育システム。いい大学に入るには、塾で勉強して学校では寝てれば良い、というのはどうなのだ?高校は大学を受験する資格を与える場所で、合格する学力を身につける場所じゃないというのは、普通におかしい。主人公も中学程度の学力がなかったのに、高校生になっているわけだし。

 

 本当はこの映画の塾の講師のような人が学校の先生をやればいいだけのような気もするのだが、生活指導とか部活指導などその他の業務をやっているうちに、結局ダメな教師になってしまうのか。

 

 犯罪者の中学や高校時代の教師が「我々の指導が間違っていました」と謝罪するのなんて見たことがないんだから、学校は生徒の人格形成を担っているとかの欺瞞はやめて、塾のように勉強だけを教えればいい。そして頑張ったから、とか訳のわからない理由で進級や卒業をさせなければ、勝手に生徒の人格は磨かれていくはず。自らの力でやらなければいけないことを理解し、実行しなければならないわけだから。実際映画の中の主人公たちは、それで姿格好まで変わっていった。

 

 思っていたよりはいい映画だったが、あまり救いがないのは誰でも彼女のようにはなれないこと。彼女のようになるには、伊藤淳史演じる塾講師のような人間に出会う運が必要になる。手っ取り早いのはこの塾に通うこと。そういう意味ではいい宣伝になっている。

 

 勉強ができない中高生よりも、学校の教師や塾の講師が見るべき映画なのかもしれない。

 

スタッフ/キャスト 

監督 土井裕泰

 

原作 学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話

 

出演 有村架純/伊藤淳史/野村周平/大内田悠平/奥田こころ/あがた森魚/安田顕/松井愛莉/蔵下穂波/阿部菜渚美/山田望叶/矢島健一/中村靖日/峯村リエ/吉田羊/田中哲司

 

音楽 瀬川英史

 

学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話 - Wikipedia

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