★★☆☆☆
あらすじ
殺人事件を目撃するも、犯人から逃れる際の事故で人の顔を見分けられない障害を負ってしまった女。
感想
顔を認識できないから、たとえ犯人が目の前に現れても気づかないし、犯人じゃない人間にも怯えてしまうかもしれない。なるほど面白くなりそうではある。だけどそれをどう映像で表現するのか。それが難しい。この映画がその証拠になってしまっている。
主人公目線で、他の登場人物の顔を毎回変えるのというのは手間がかかるし、シュール過ぎてわけが解らなくなる。かといって何もいじらず、主人公のリアクションだけで表現しようとすると、きっとコメディっぽくなってしまう。これらを併用すると、犯人がバレバレでスリルもサスペンスも生まれない。そして、観ているこちらが色々と混乱してしまい、映画が楽しめない。
そして、主人公を追い詰めていく犯人、というメインストーリーの裏で展開される、謎のメロドラマ。謎すぎて戸惑いしかなかった。そしていつの間にかメロドラマがサスペンスを飲み込み迎えるエンディング。あまりにも陳腐で、思わず乾いた笑いが出てしまった。
その他にも色々おかしいところがあって、顔は認識できないにしても身近な人であれば、声や動作で分かるのでは?とか、そもそも顔を認識できないというのはそういうことなのか?とか、なんで刑事は突然髭をそったの?とか、もうミステリアスすぎる。こうなったら逆にもっと謎を詰め込んで、カルト作品にしてしまえばいいのに、とすら思えてきた。
とはいいながら、意外と細かい伏線をちゃんと仕込んでいる箇所もあったりするので、本当によく分からない感じの作品になってしまっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本 ジュリアン・マニャ
製作総指揮/出演 ミラ・ジョヴォヴィッチ
出演 ジュリアン・マクマホン/マイケル・シャンクス/マリアンヌ・フェイスフル/サラ・ウェイン・キャリーズ/サンドリーヌ・ホルト