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個人的な映画・本・音楽についての鑑賞記録・感想文です。

「いちげんさん」 2000

ICHIGENSAN いちげんさん [DVD]

★★★☆☆

 

 日本の大学に通うスイス人留学生は、本を読み聞かせるボランティアをするために盲目の若い女性の家に通うようになる。

 

 点字にされていない本を読みたい盲目の人のために、本を読み聞かせるというボランティア。確かにそういう人のためには価値のあるボランティアだと思うが、なぜネイティブでない外国人がやるのが不思議。外国人にとっては日本語の勉強になるからと言うメリットがあるからか。

 

 鈴木保奈美演じる盲目の女性は、自分をしっかり持っているような動じない人間で、吸い込まれてしまいそうな雰囲気を持っている。相手が自信を持っているから、こちらが不安を感じた分だけ寄せ付けられてしまうというか。少し怖く感じる部分もある。二人が付き合い始めたのも当然、というような感じがした。

 

 留学生はその後のジャーナリストになっていく過程を、「蟻地獄に引きずり込まれるように」と表現していたが、二人が付き合い始めたことのほうが、よっぽどその表現がしっくりくる。女性の狙い通りに仕留められた感がある。「砂の女」を朗読していたので、そのあたりは意識していたような気もするが。

砂の女 (新潮文庫)

砂の女 (新潮文庫)

 

 

 主人公は日本語もペラペラで十分日本社会に馴染んでいるつもりなのに、いつまで経っても周りに外人扱いされることに苛ついていたが、仕方ないと感じてしまう部分もある。英語で話しかけてくる人だって、悪意ではなく善意でやっているのだろうし。皆が主人公のことを理解してくれるような田舎とかの小さなコミュニティではなく、知らない人が行き交う都会では見た目で判断されがちではある。大学でのように外国人だからと最初から色眼鏡で見てしまっていることもあるが。

 

 だから、見た目で判断しない盲目の女性に惹かれた部分もあるのだろう。そんな彼も、盲目の女性に対してステレオタイプな見方をしてしまったりもするわけだが。

 

 なんとなく日本の昔の映画のような、クラシカルな趣のある恋愛映画だった。

 

監督/脚色/企画/編集 森本功

 

原作 いちげんさん (集英社文庫)

 

出演 エドワード・アタートン/鈴木保奈美中田喜子/塩屋俊/蟹江敬三/渡辺哲

 

ICHIGENSAN いちげんさん [DVD]

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いちげんさん - Wikipedia

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