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「抱擁のかけら」 2009

抱擁のかけら [DVD]

★★★★☆

 

 盲目の脚本家のもとに、かつて因縁のあった実業家の息子が訪れる。

 

 実業家の息子の訪問がなぜ主人公たちを動揺させたのか、そしてなぜ主人公は失明したのか、現在と過去を行き来しながらその真相が明らかになっていく。その話の構成がうまく出来ていて、純粋に物語として面白い。

 

 そしてその物語の中で渦巻く登場人物たちの思惑。実業家の秘書として働き、やがてその恋人になり、そして女優の夢を叶え、実業家を捨てて映画監督と恋に落ちるペネロペ・クルス演じる女。監督に実業家の悪口を言いまくったりと、悪女っぷりがすごいが、多分本人はそれを認識していなくて、ただ自分に正直に生きているだけ、とか言いそう。

 

 そして、金持ちが秘書だったり家事手伝いの女性と付き合うというのはよくある話で、随分と身近で手を打つな、と思っていたのだが、そうじゃなくて、もともと美人を身の回りに配置しているからなんだなというのがよくわかった。身近に置く時点ですでにかなりの選別をしているということか。

 

 一人の女を巡る監督と実業家の話ではあるが、監督のエージェントを務める女や実業家の息子の複雑な思いもその中でうごめいており、それが物語に深みを与えている。

 

 ラストは、彼女との思い出である作品を仕上げたいという気持ちと同時に、なんとしてでも映画は完成させなければいけないという映画自身への愛も表現されていたように感じた。

 

監督/脚本 ペドロ・アルモドバル

 

出演 ペネロペ・クルス/ルイス・オマール/アンヘラ・モリーナ/ロラ・ドゥエニャス/カルメン・マチ/ロッシ・デ・パルマ

 

抱擁のかけら [DVD]

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