★★★☆☆
あらすじ
学生時代の友人が自殺し、その葬儀に参加するため15年ぶりに再会した仲間たちは、週末を共に過ごすことにする。
感想
昔の仲間が集まり、過去を振り返りながら物語は進行するのかと思ったが、回想シーンは一切なく、純粋に一軒家で過ごした週末の様子のみが時間軸に沿って描かれる。ほとんど密室劇のような、舞台劇のような展開。
集まった仲間たちの仲の良さがいまいちよく分からないのだが、単純にお国柄の違いなのだろうか。昔話で盛り上がるわけでもなく、互いに詮索し合うわけでもなく、自分が話したいことを話しているだけ。その癖、ボディタッチは多めで身体的な距離感は近い。
この少し奇妙な雰囲気は、学生時代の仲間たちだけで好き勝手にやっていた時代を終え、社会に出て色々な人々に会い、色々な出来事を経験したことで、少しずつ皆が変わってしまったからなのかもしれない。変わることを受け入れている者、それに抗おうとする者、何も考えていない者など、変化に対する皆の反応は様々。それが彼らの関係に隙間を生んでしまっている。
最初は死んだ友人の事にもあまり触れないで、なんとなく会話していた仲間たちだが、時間を重ねていくうちに、少しずつ彼らの心の内が見えてくる。そして誰かの想いに、メンバーの心が反応して変化していく。
やがて一度は空中分解したかのように見えた彼らも、最終的にはまた昔の仲の良かった関係を取り戻していく。この心の動きを直線的に描くのではなく、行きつ戻りつしながらいつの間にかそうなっていた、というように描いていたのが、リアリティーがあって上手かった。
とはいえ、最後の晩に起きた出来事は正直あまり納得できなかったが。コミカルなシーンを織り交ぜつつ、限定された登場人物たちの数日間の濃密な人間関係を堪能できる作品となっている。
スタッフ/キャスト
監督/脚本/製作総指揮 ローレンス・カスダン
出演 トム・ベレンジャー/グレン・クローズ/ジェフ・ゴールドブラム/ウィリアム・ハート/ケヴィン・クライン/メグ・ティリー/メアリー・ケイ・プレイス/ジョベス・ウィリアムズ
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