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「花宵道中」 2014

花宵道中

★★☆☆☆

 

あらすじ

 間もなく年季が明ける吉原の女郎が、縁日で出会った男に一目惚れする。

 

感想

 吉原が火事で焼け、仮宅での営業を行う妓楼。女郎たちは吉原から出ないよう厳しく監視されていた、という認識だったが、こんな逃げ放題な環境に置かれることもあるのが意外だった。しかも、女郎たちも何かと外出もしている。営業を続けるためには仕方がないし、女郎たちもいつも逃げようと考えているわけでもなく、年季明けまでやり遂げる覚悟はできているということか。

 

 誰にも心を許さず仕事をこなしていた女郎が、一人の男を好きになる。そんな彼女が、自分は普通の女ではなく遊郭の女なんだと、好きな男の前で思い知らされるシーン。馴染みの客である津田寛治演じる男が、安達祐実演じる主人公との関係を察して、男の目の前でねちっこくひどいことをするわけだが、その間、主人公が男をずっと見つめている。普通は目を逸らすのだと思うのだが、見つめ合うのでそういうプレイ感が出てしまい、違う意味合いに見えてしまっていた。

 

 

 とは言いながら、中盤まではそんなに悪くない展開。惚れた男が予想外の行動をしたりしてサスペンス的な要素も出てきた。なのに、後半から一気に薄っぺらい、つまらない恋愛映画になってしまった。

 

 理由は簡単、安達祐実。映画のために彼女が脱いだのではなく、彼女が脱ぐための映画になってしまっている。彼女が脱いだところを延々見せられて、そこからは、積み上げてきたものを放棄するような、ありきたりのストーリーに変わってしまった。

 

 話題性も大事だけど、そのために映画じゃなくなってしまっている映画を見るのは、なかなか切ないものがある。

 

スタッフ/キャスト

監督 豊島圭介

 

原作 花宵道中 (新潮文庫)

 

出演 安達祐実/淵上泰史/小篠恵奈/友近/高岡早紀/津田寛治/不破万作

 

花宵道中

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花宵道中 - Wikipedia

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