★★★☆☆
あらすじ
妻とともに休暇を過ごすリゾートホテルで、若い女と初老の男のカップルに興味を覚える作家の男。
感想
小説も書けず、妻との関係も冷めている作家の男。女が成長していく様を記録しているという初老の男に、最初は意味がわからずその異様さに距離を取ろうとするが、そんな男の心情に関心を抱きカップルの行動を追うようになる。
人は特別なものを手に入れたと喜んだとしても、日が経つにつれ、やがてはその喜びは色あせ何も感じなくなってしまう。それは普通のことだが、そうはならない人もいる。特別なものに日々新たな発見ができ、その価値を改めて実感できる人間だ。そして、そんな人がいることを知った人間も、当たり前になってしまっていた自分の周りのものをまた新たな目で見ることが出来るようになる。
ただその特別なものが人間だった場合、常に関心を抱かれるというのも次第に息が詰まってしまう。関心を持たれないのもつらいが、異常に関心を持たれてもつらい。その辺りの匙加減がややこしく、厄介だ。
正直、あまり良くわからない内容で、見る人によって解釈が違う余白の多い映画となっている。映画の内容を反芻しながら、なんとなく以上のようなことが思い浮かんだ。
そして、この映画でも短い時間で印象に残る演技を見せている新井浩文。惜しい人を失った。
スタッフ/キャスト
監督 ウェイン・ワン
脚本 マイケル・K・レイ/シンホ・リー/砂田麻美
原作 女が眠る時
出演 ビートたけし/西島秀俊/忽那汐里/小山田サユリ/新井浩文/渡辺真起子/リリー・フランキー