★★★☆☆
あらすじ
別れた妻と息子が住むアメリカに移り住んだサッカーのかつてのスター選手。
感想
子供に会うために別れた妻の母国で暮らす主人公。サッカーが欧州ほどメジャーじゃないアメリカとあって、スター選手だった彼もそこまで知られていない。仕事もなく、金にも困っている。
主人公の子供の通うサッカースクールのコーチがつま先でボールを蹴れ、と指導しているのが面白かった。我慢できずに口を出した主人公は皆に請われ、コーチをすることになる。
このコーチを引き受けたことから主人公の人生は好転し始める。息子には尊敬され、母親たちにはモテて、仕事につながるコネクションも出来た。中でもこの母親たちにモテる感じがなるほどね、と思わせられた。ただでさえスポーツマンということでモテるのに、さらに選手起用の権限も持っているので母親たちが媚びるということか。 こうやって世界中で怪しい男女関係が生まれているのだろう。
シンプルに迫る女や仕事をダシにする女、金にものを言わせて子供をフォワードで起用するようそれとなく迫る父親など、そんなサッカーコーチにまつわる出来事が面白おかしく描かれる。ただそれらがまるで順番を割り振られているかのようにスケジュールされているわざとらしさは感じた。
そんな中で主人公は子供とのきずなを深め、元妻との関係も良好になっていく。よりを戻してめでたしめでたしという良くある話なのだが、元妻は再婚寸前の恋人がいて、彼の事を考えるとあまり良かったね、とは思えない。彼は何も悪くないのに、運命の二人がちょっとした間違いで少し距離を取ったせいで、巻き込まれて被害者になってしまった。とんだピエロだ。
そこを考えると元妻の良き友人として、息子の良き父親としての関係だけで良かったような気もする。彼らとの絆を大切にしながらも未来に進んでいく。その方が切ないけども爽やかな気分で映画を見終えることができたような気がする。それにあのエンディングなら、別に主人公はせっかく手に入れた仕事のチャンスをフイにする必要はなかったんじゃないの?とも思ってしまった。
スタッフ/キャスト
監督 ガブリエレ・ムッチーノ
製作 ハイディ・ジョー・マーケル/ケヴィン・ミッシャー/ジョナサン・モストウ/アラン・シーゲル/ジョン・トンプソン
製作/出演 ジェラルド・バトラー
製作総指揮 エド・カゼル三世/ボアズ・デヴィッドソン/ダニー・ディムボート/アヴィ・ラーナー/ピーター・シュレッセル/トレヴァー・ショート
出演 ジェシカ・ビール/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/デニス・クエイド/ジュディ・グリア