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「セーラー服と機関銃 -卒業-」 2016

セーラー服と機関銃 -卒業-(初回限定生産) [DVD]

★★★☆☆

 

あらすじ

 商店街の平穏と引き換えに組を解散した女子高生の組長。しかし手打ちをした相手の組が別組織に吸収され、再び商店街に不穏な影が忍び寄る。

 

感想

 かつて、薬師丸ひろ子主演で名セリフと共に一世を風靡した映画の続編。いわゆるアイドル映画でもあったわけだが、この映画でもアイドル映画らしさはでている。主演の橋本環奈の様々な表情を見せるために、年上の男にドキドキさせたり、組員たちと戯れさせたり、ラブホテルに連れて行ったり、吊るしたり。ツボは抑えようとしていることは見て取れる。

 

 ただ見ているうちに気づくのは、たぶん監督、橋本環奈に興味ないな、という事。先ほど挙げたアイドル的シーンもただ型に沿っただけのおざなりなシーンで、彼女の良さを引き出そうという意図は感じられなかった。アップも少なく引いた映像が多い。もしかしたら、橋本環奈が監督の期待に応えられなかった結果なのかもしれないが。

 

 

 それとはうって変わって、長谷川博己や安藤政信、武田鉄矢らの熱演には、カメラワークも凝っていて監督の気合の入りようが伝わってくる。組員たちが死んでいく描写もやくざ映画らしい美学が感じられた。

 

 でもこれ基本はアイドル映画だからなぁと思ってしまう。そういうのをがっつり描かれると逆に場違いな女子高生の存在が邪魔に思えてくる。この映画はそんな場に女子高生がいるギャップを描かないといけないはずなのに、とモヤモヤしてくる。そんなアンバランスな内容で120分は長い。余計なことをせずにアイドル映画に徹して100分ほどにまとめて欲しかった。

 

 それから狭い室内での激しい銃撃戦があるのだが、最初は意外と誰も被弾していなくて歩留まりが悪すぎる。みんなプロなんだからそれはいくらなんでも不自然すぎだろ、と。銃撃戦の最後には結局は大方の人間が撃たれていたが、確率で言えば最初にたくさんの人間が撃たれないとおかしい。不自然すぎた。

 

 見終わって思うのは、橋本環奈の見せ場はほぼなかったな、という事。印象に残るシーンも、前作みたいな名セリフもなかった。前作の遺産を利用して薬師丸ひろ子とか柄本明とか柳沢慎吾とかをちょい役で出すとか、もっと工夫すれば良かったのにと思わずにはいられない。

 

スタッフ/キャスト

監督 前田弘二

 

原作 セーラー服と機関銃・その後――卒業―― (角川文庫)

 

出演 橋本環奈/長谷川博己/武田鉄矢/北村匠海/岡田義徳/安藤政信/大野拓朗/宇野祥平/古舘寛治/鶴見辰吾/榎木孝明/柄本時生

 

セーラー服と機関銃 -卒業-(初回限定生産) [DVD]

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セーラー服と機関銃 - Wikipedia

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